網状皮斑
概要
網状皮斑は、皮膚表面に網目状またはレース状の紫紅色から青紫色の斑が出現する病態である。主に四肢や体幹にみられ、血管障害や循環障害が背景にあることが多い。膠原病や血管炎の皮膚症状として重要視される。
要点
- 網目状・レース状の皮膚変化が特徴
- 血管炎や膠原病など全身疾患の皮膚サインとなる
- 冷感や圧迫で増悪することがある
病態・原因
皮膚の浅在静脈や毛細血管の循環障害、血管炎、微小血栓形成などが原因となる。自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群など)や寒冷刺激、薬剤性、血液疾患でもみられる。
主症状・身体所見
四肢や体幹に紫紅色~青紫色の網目状・レース状斑が対称性に出現する。圧迫や寒冷暴露で増強し、しばしば疼痛や潰瘍を伴うこともある。全身症状や他臓器障害の有無が鑑別に重要。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚所見 | 網目状・レース状の紫斑 | 視診・ダーモスコピーで確認 |
| 血液検査 | 抗核抗体、抗リン脂質抗体など | 原因疾患の検索 |
| 皮膚生検 | 血管炎、血栓形成など | 病理組織で確定診断 |
原因疾患の鑑別のため、自己免疫マーカーや凝固系検査も行う。皮膚生検では血管壁の炎症や血栓形成がみられる。全身性疾患の有無を評価するため、詳細な問診と身体所見が不可欠。
治療
- 原因疾患の治療:膠原病・血管炎・凝固異常など
- 対症療法:保温、皮膚の保護、局所治療
- 重症例:ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬の投与
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 網状皮斑 | 網目状・レース状斑、寒冷で増悪 | 皮膚生検で血管炎や血栓 |
| 血管炎 | 紫斑、潰瘍、全身症状 | 血管壁の炎症像が明瞭 |
| 凝固異常 | 出血傾向、点状出血 | 凝固系異常を認める |
補足事項
網状皮斑は一過性の生理的反応(生理的網状皮斑)としてもみられるが、持続性や疼痛・潰瘍を伴う場合は全身疾患のサインであることが多い。特に若年女性の持続性病変は膠原病の早期徴候となるため注意が必要。