絨毛癌
概要
絨毛癌は、妊娠性絨毛性疾患の一つであり、胎盤の絨毛組織から発生する悪性腫瘍である。胞状奇胎や正常妊娠後にも発生し、転移性が強く進行が速い。主に化学療法が治療の中心となる。
要点
- 胞状奇胎や妊娠後に発生しうる悪性腫瘍
- 肺や脳などへの転移が多い
- 化学療法に高い治療効果を示す
病態・原因
絨毛癌は、妊娠に関連した絨毛組織の悪性変化により発生する。多くは胞状奇胎後に発症するが、正常妊娠や流産、異所性妊娠後にもみられる。腫瘍細胞は血行性に転移しやすい。
主症状・身体所見
不正性器出血が最も多い症状であり、妊娠後期や産褥期に出現することが多い。肺転移による咳嗽や喀血、脳転移による頭痛・神経症状などもみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| hCG測定 | 著明な高値 | 腫瘍マーカーとして有用 |
| 画像検査 | 子宮腫瘤・多発転移巣 | 超音波・CT・MRI・胸部X線など |
| 病理組織診断 | 細胞異型・絨毛構造消失 | 絨毛構造を認めないのが特徴 |
hCGの持続的高値や上昇、画像での腫瘍性病変、組織学的に絨毛構造の消失と異型細胞の増殖で診断する。転移検索のため全身画像検査が重要。
治療
- 第一選択:多剤併用化学療法(EMA-CO療法など)
- 補助療法:手術(子宮摘出)、放射線療法(脳転移時など)
- 注意点:hCGモニタリングと再発監視が必須
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 胞状奇胎 | 絨毛構造あり、浸潤性低い | 組織で絨毛構造を認める |
| 存続絨毛症 | hCGが持続的に高値、転移稀 | 画像で腫瘍性病変が乏しい |
| 子宮体癌 | 妊娠との関連なし、進行緩徐 | hCG上昇なし |
補足事項
絨毛癌は化学療法の進歩により治癒率が高いが、早期発見と転移検索が重要である。治療後も長期にわたるhCGモニタリングが推奨される。