存続絨毛症
概要
存続絨毛症は、妊娠性絨毛性疾患の一つで、胞状奇胎や流産後に絨毛組織が子宮内に残存し、異常増殖を続ける疾患である。hCG高値や不正性器出血が特徴で、時に絨毛癌への進展もある。早期診断と治療が重要となる。
要点
- 胞状奇胎・流産後に発生する異常絨毛組織の残存
- hCG高値と不正性器出血が診断の手がかり
- 絨毛癌への進展リスクがあり、早期管理が必要
病態・原因
胞状奇胎や流産、分娩後に絨毛組織が完全に排出されずに残存し、異常増殖を続けることで発症する。増殖した絨毛組織が子宮筋層へ浸潤する場合もあり、悪性転化することもある。リスク因子には高齢妊娠や既往歴が挙げられる。
主症状・身体所見
主な症状は不正性器出血であり、妊娠終了後にも持続する場合が多い。子宮の増大や圧痛がみられることもある。血中hCG値の異常高値が身体所見の手がかりとなる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中hCG測定 | 持続的な高値 | 妊娠終了後も高値が持続 |
| 骨盤超音波 | 子宮内異常エコー像(腫瘤・血流増加) | 絨毛組織残存の評価 |
| MRI | 子宮筋層浸潤の有無 | 浸潤性の診断に有用 |
血中hCG値の持続的高値や上昇、超音波による腫瘤や血流増加像が診断の根拠となる。組織学的検査やMRIは浸潤や悪性転化の評価に役立つ。
治療
- 第一選択:子宮内容除去術(掻爬)、必要に応じて化学療法
- 補助療法:hCG値モニタリング、貧血や感染の管理
- 注意点:再発や悪性転化(絨毛癌)に留意し長期フォローが必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 胞状奇胎 | 妊娠初期に発症、ぶどう状絨毛 | 絨毛組織増殖だが浸潤なし |
| 絨毛癌 | 急速進行性、遠隔転移しやすい | hCG極端高値、転移像明瞭 |
| 子宮内膜症 | 月経困難・不妊症が主 | hCG上昇なし、所見異なる |
補足事項
存続絨毛症は、治療後もhCGモニタリングによる長期経過観察が必須であり、再発や悪性転化の早期発見が重要である。化学療法への感受性は高い。