糖尿病性足趾壊疽

概要

糖尿病性足趾壊疽は、糖尿病患者に生じる足趾の組織壊死であり、主に末梢神経障害や末梢動脈疾患、易感染性が関与する。進行すると足趾や足部の切断に至ることも多く、早期発見・治療が重要となる。重症化すると全身感染や敗血症のリスクも高い。

要点

  • 糖尿病による末梢循環障害と神経障害が主因
  • 感染の合併が壊疽の進展・重症化に寄与
  • 早期診断・適切なデブリードマンと血行再建が重要

病態・原因

高血糖状態が長期間持続することで末梢神経障害や微小血管障害、動脈硬化が進行し、足趾や足部の血流低下と感覚障害をきたす。さらに免疫機能低下も加わり、外傷や感染が契機となって壊疽へ進展する。

主症状・身体所見

足趾や足部の潰瘍、壊死、発赤、腫脹、悪臭、発熱などがみられる。感覚鈍麻や無痛性で進行することも多く、感染を伴う場合は蜂窩織炎や発熱、全身症状を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
触診・視診潰瘍・壊死・発赤・腫脹感覚障害や末梢脈の触知低下も重要
血管エコー・ABI血流低下・動脈狭窄血行障害の評価に有用
細菌培養感染菌の同定抗菌薬選択の参考
血液検査白血球増多・炎症反応高値感染・炎症の評価

壊疽の診断は視診・触診で明らかとなるが、血流評価(ABIや血管エコー)、感染評価(培養、血液検査)が必須。画像検査(MRIやCT)は深部感染や骨髄炎の評価に用いる。

治療

  • 第一選択:デブリードマン(壊死組織除去)と血行再建
  • 補助療法:抗菌薬投与、糖尿病管理、局所陰圧閉鎖療法など
  • 注意点:早期発見と再発予防、足部の適切なケアと教育

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
閉塞性動脈硬化症糖尿病の有無、壊疽部位の違い糖尿病性神経障害の有無
壊死性筋膜炎急速な進行・激烈な疼痛画像で筋膜の広範な壊死

補足事項

糖尿病性足病変は壊疽に至る前の段階での介入が重要であり、日常的な足の観察と適切なフットケアが再発・重症化予防の鍵となる。血行再建術や新規創傷治療法の進歩も治療成績向上に寄与している。

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