皮膚カンジダ症
概要
皮膚カンジダ症はCandida属真菌による皮膚の感染症で、免疫低下や湿潤環境を背景に発症しやすい。皮膚の間擦部などに紅斑やびらん、鱗屑を生じるのが特徴。糖尿病や高齢者、乳児、長期抗菌薬使用者でリスクが高い。
要点
- Candida属真菌による表在性皮膚感染症
- 湿潤環境や免疫低下が発症リスク
- 間擦部の紅斑・びらん・鱗屑が特徴
病態・原因
Candida albicansをはじめとするCandida属真菌が皮膚のバリア機能低下や湿潤環境下で異常増殖し、炎症を引き起こす。糖尿病、肥満、免疫抑制状態、抗菌薬長期使用がリスク因子となる。
主症状・身体所見
主に腋窩、鼠径、乳房下、指間などの間擦部に紅斑、びらん、鱗屑、浸軟、衛星病変(小丘疹・小膿疱)を認める。自覚症状としては掻痒や灼熱感が多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| KOH直接鏡検 | 偽菌糸・芽細胞の検出 | 鱗屑やびらん部から採取 |
| 真菌培養 | Candida属の発育 | 種同定や薬剤感受性検査も可能 |
| Wood灯検査 | 蛍光を示さない | 他の真菌症との鑑別に有用 |
KOH直接鏡検で偽菌糸や芽細胞を確認することが診断の決め手となる。臨床像と合わせて診断し、必要に応じて真菌培養で種同定を行う。衛星病変の存在も診断の参考となる。
治療
- 第一選択:抗真菌外用薬(アゾール系、アムホテリシンBなど)
- 補助療法:患部の乾燥・清潔保持、基礎疾患の管理
- 注意点:再発予防には湿潤環境の回避と生活指導が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 白癬 | 鱗屑多く、環状・辺縁隆起 | KOH鏡検で皮糸状菌検出 |
| アトピー性皮膚炎 | 慢性経過、乾燥・苔癬化 | 真菌検査陰性、アレルギー素因あり |
| 接触皮膚炎 | 特定物質との接触歴 | 病変部の分布と接触歴で判断 |
補足事項
乳児ではおむつ皮膚炎として発症することが多い。基礎疾患や免疫異常がある場合は難治化しやすく、全身性カンジダ症への進展にも注意が必要。外用薬抵抗例では内服抗真菌薬を検討する。