減圧症

概要

減圧症は、急激な気圧低下により体内に溶けていた窒素が気泡化し、血管や組織を障害する疾患である。主にダイビングや高圧環境からの急速浮上時に発生する。神経症状や関節痛、皮膚症状など多彩な臨床像を呈する。

要点

  • 急激な減圧により体内ガスが気泡化し障害をきたす
  • 神経・関節・皮膚など全身に多様な症状を呈する
  • 高圧酸素療法が治療の中心であり、迅速な対応が重要

病態・原因

高圧環境下では体内に窒素が溶解し、急激な減圧により過剰な窒素が気泡となって血管や組織を塞栓・障害する。ダイビングや潜水作業、減圧チャンバーからの急な離脱などが主なリスク因子である。

主症状・身体所見

関節痛や筋肉痛(ベンズ)、皮膚の発疹・瘙痒感、めまい、頭痛、麻痺、感覚障害、意識障害など神経症状を呈する。重症例では呼吸困難やショック症状も認められる。

検査・診断

検査所見補足
画像検査(MRI/CT)脳・脊髄・関節などの虚血変化神経症状の評価に有用
血液ガス分析低酸素血症や代謝性アシドーシス重症度評価
超音波検査血管内気泡の検出心臓・大血管評価

臨床症状やダイビング歴、急激な減圧エピソードから診断する。画像検査で神経障害や関節病変を確認するが、診断は主に臨床経過に基づく。

治療

  • 第一選択:高圧酸素療法(再圧治療)
  • 補助療法:安静、輸液、疼痛管理、必要時呼吸・循環管理
  • 注意点:再発予防のため減圧手順の遵守、転院時も高濃度酸素投与継続

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
空気塞栓症潜水歴なく手術・外傷後に発症血管内空気像が明瞭
急性動脈閉塞症四肢の疼痛・蒼白・脈拍消失血管造影で閉塞部位特定

補足事項

減圧症の予防には潜水計画の厳守や安全な浮上速度の維持が重要であり、再発例や重症例では長期の神経後遺症が残ることもある。高所登山や航空機搭乗後にもまれに発症するため注意が必要。

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