急性動脈閉塞症
概要
急性動脈閉塞症は、動脈の急激な閉塞により末梢組織への血流が途絶し、虚血性壊死のリスクを伴う疾患。主に血栓や塞栓が原因で、四肢に好発する。迅速な診断と治療介入が予後を大きく左右する。
要点
- 急激な血流遮断により組織壊死を来す
- 早期診断・治療が不可欠
- 血栓・塞栓が主な原因
病態・原因
動脈が血栓や塞栓により急速に閉塞し、末梢組織への酸素供給が途絶することで急性虚血を生じる。心房細動などによる心原性塞栓や、動脈硬化性病変上の血栓形成が主なリスク因子である。
主症状・身体所見
突然発症する患肢の激痛、蒼白、冷感、運動・知覚障害、脈拍消失(6P:Pain, Pallor, Pulselessness, Paresthesia, Paralysis, Poikilothermia)が特徴的。進行すると壊死に至る。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 造影CT/血管造影 | 閉塞部位の同定、末梢血流の評価 | 診断・治療方針決定に必須 |
| ドプラ超音波検査 | 血流低下・消失の確認 | ベッドサイドで迅速評価 |
| 血液検査(CK, LDH等) | 筋壊死の指標上昇 | 虚血進行度の補助評価 |
診断は臨床症状と動脈血流の消失で疑い、画像検査で閉塞部位・範囲を確定する。造影CTや血管造影が最も有用。重症例では筋逸脱酵素の上昇も参考となる。
治療
- 第一選択:緊急血栓除去術またはカテーテル治療
- 補助療法:抗凝固療法、疼痛管理、虚血組織の管理
- 注意点:再灌流障害やコンパートメント症候群に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 慢性動脈閉塞症 | 症状進行が緩徐、間欠性跛行が主体 | ABI低下、慢性変化を認める |
| 急性静脈閉塞症 | 腫脹・発赤・熱感が主体、疼痛はやや鈍い | ドプラで静脈血流の閉塞検出 |
補足事項
発症から治療までの時間が予後に直結するため、診断後は速やかな専門医療機関への搬送が推奨される。再発予防には基礎疾患(心房細動、動脈硬化等)の管理が重要。