混合性アシドーシス
概要
混合性アシドーシスは、呼吸性アシドーシスと代謝性アシドーシスが同時に存在する病態であり、酸塩基平衡の重度な異常を呈する。重篤な臓器障害や多臓器不全時にみられ、診断・治療には迅速な対応が必要となる。臨床的には重篤なアシデミアを伴い、生命予後に直結することが多い。
要点
- 呼吸性・代謝性アシドーシスが同時に存在
- 重篤なアシデミアを呈しやすい
- 迅速な原因検索と治療が必要
病態・原因
呼吸性アシドーシス(換気障害や呼吸不全)と代謝性アシドーシス(ショック、腎不全、乳酸アシドーシス、ケトアシドーシスなど)が同時に発生することで生じる。多臓器不全や重症感染症、心停止後などでしばしば認められる。
主症状・身体所見
意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、頻呼吸または呼吸抑制、循環不全などがみられる。重症例ではショック、痙攣、昏睡に至ることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 動脈血液ガス分析 | pH低下、PaCO2上昇、HCO3-低下 | 両者のアシドーシス所見が同時に存在 |
| 血清電解質・乳酸値 | 乳酸上昇、アニオンギャップ増加 | 代謝性アシドーシスの評価 |
| 胸部X線・心電図 | 原因疾患の検索 | 呼吸不全や心疾患の除外 |
動脈血液ガスでpHが高度に低下し、PaCO2上昇とHCO3-低下が同時に認められる。アニオンギャップも参考となる。原因疾患の評価が重要。
治療
- 第一選択:原因疾患(呼吸不全・循環不全・腎不全など)の治療
- 補助療法:人工呼吸管理、輸液・循環管理、電解質補正
- 注意点:重篤なアシデミア(pH<7.1)時は緩衝薬(重炭酸ナトリウム)を慎重に使用
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 呼吸性アシドーシス | PaCO2上昇主体、HCO3-は代償的上昇 | 代謝性アシドーシスなし |
| 代謝性アシドーシス | HCO3-低下主体、PaCO2は代償的低下 | 呼吸性アシドーシスなし |
| 混合性アシドーシス | PaCO2上昇+HCO3-低下 | 両者のアシドーシスが同時 |
補足事項
混合性アシドーシスは重症患者で多く、生命予後に直結するため、迅速なモニタリングと多職種連携が不可欠である。原因疾患の治療が最も重要となる。