新生児敗血症

概要

新生児敗血症は新生児期に発症する全身性の重篤な細菌感染症であり、早期発症型と遅発型に分類される。免疫機能が未熟な新生児においては、進行が急速で多臓器不全をきたしやすい。予後改善には早期診断と適切な抗菌薬治療が不可欠である。

要点

  • 新生児の免疫未熟性が重症化の要因となる
  • 早期発症型と遅発型で原因菌や感染経路が異なる
  • 早期診断・治療が生命予後を大きく左右する

病態・原因

新生児敗血症は、主に母体からの垂直感染や環境からの水平感染によって発症する。早期発症型はグラム陰性桿菌やB群溶血性連鎖球菌(GBS)が多く、遅発型は院内感染やカテーテル関連感染が関与する。未熟な免疫系やバリア機能の低下が重症化のリスクとなる。

主症状・身体所見

発熱または低体温、哺乳不良、傾眠、呼吸障害、無呼吸発作、チアノーゼ、皮膚蒼白、黄疸、けいれんなど多彩な症状を呈する。症状が非特異的なことが多く、重症例ではショックや多臓器不全に進展する。

検査・診断

検査所見補足
血液培養起炎菌の検出診断のゴールドスタンダード
血液検査白血球増減、CRP・PCT上昇感染徴候の補助、重症度評価にも有用
髄液検査髄液細胞増多、蛋白上昇など髄膜炎合併の評価

血液培養による細菌同定が診断の決め手となるが、臨床症状や炎症反応マーカーも重要。髄液検査は髄膜炎の鑑別や合併症評価に必須。画像検査(胸部レントゲンなど)で肺炎や他臓器病変の有無を確認する場合もある。

治療

  • 第一選択:広域抗菌薬(アンピシリン+アミノグリコシド系など)の早期投与
  • 補助療法:循環・呼吸管理、輸液、栄養管理、必要に応じて免疫グロブリン投与
  • 注意点:原因菌同定後は感受性に応じて抗菌薬を調整、感染予防策の徹底

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
新生児壊死性腸炎腹部膨満・血便・腹部X線像腸管ガス像・血液培養陰性が多い
細菌性髄膜炎けいれん・項部硬直髄液検査で細胞数・蛋白増加
ロタウイルス胃腸炎水様性下痢・嘔吐便中ウイルス抗原検出、菌血症なし

補足事項

新生児敗血症は非特異的症状が多いため、疑った時点で積極的に培養・抗菌薬投与を行うことが推奨される。母体GBS対策や院内感染対策の強化が発症予防に重要である。

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