慢性胃炎

概要

慢性胃炎は、胃粘膜に長期間にわたり炎症が持続する疾患であり、主にヘリコバクター・ピロリ感染や自己免疫反応が原因となる。胃粘膜の萎縮や腸上皮化生を伴うことが多く、無症状から消化器症状まで多彩な臨床像を呈する。

要点

  • 主因はヘリコバクター・ピロリ感染と自己免疫性
  • 胃粘膜の萎縮や腸上皮化生を生じうる
  • 無症状例も多いが消化性潰瘍や胃癌のリスクとなる

病態・原因

多くはヘリコバクター・ピロリ感染による慢性的な胃粘膜炎症が原因で、長期的には胃粘膜の萎縮や腸上皮化生を引き起こす。自己免疫性胃炎では壁細胞に対する自己抗体が関与し、ビタミンB12吸収障害を伴うこともある。

主症状・身体所見

症状は非特異的で、上腹部不快感、腹痛、悪心、食欲不振などがみられることがある。多くは無症状で、進行例では貧血や消化性潰瘍、稀に胃癌の発症がみられる。

検査・診断

検査所見補足
上部消化管内視鏡胃粘膜の発赤、萎縮、腸上皮化生生検で組織診断可能
ヘリコバクター・ピロリ検査陽性尿素呼気試験、迅速ウレアーゼ試験など

組織診断では慢性炎症細胞浸潤や腸上皮化生、萎縮所見が確認される。ピロリ菌感染の有無が診断・治療方針決定に重要となる。

治療

  • 第一選択:ヘリコバクター・ピロリ除菌療法
  • 補助療法:胃粘膜保護薬、生活指導、ビタミンB12補充(自己免疫性の場合)
  • 注意点:除菌後も定期的な内視鏡フォローが必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
機能性ディスペプシア器質的異常がない内視鏡で異常所見なし
胃潰瘍明らかな潰瘍形成内視鏡で潰瘍を認める

補足事項

長期の経過で胃癌のリスクが増加するため、萎縮性胃炎や腸上皮化生を伴う例では定期的な内視鏡検査が推奨される。自己免疫性胃炎では悪性貧血にも注意が必要。

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