心膜囊腫

概要

心膜囊腫は心膜に発生する良性の嚢胞性病変で、多くは無症状で偶発的に発見される。胸部X線やCTで前縦隔に境界明瞭な腫瘤として認められることが多い。症状がある場合や大きい場合には治療介入が検討される。

要点

  • 多くは無症状で偶発的に発見される良性腫瘍
  • 画像診断で前縦隔に嚢胞性腫瘤として認められる
  • 症状や増大例では外科的切除が適応となる

病態・原因

心膜囊腫は胚発生過程で心膜腔の分離異常などにより形成される先天性の良性腫瘍である。多くは孤立性で、内容は漿液性で無菌性の液体を含む。明確なリスク因子は知られていない。

主症状・身体所見

ほとんどは無症状だが、囊腫が大きい場合や感染・出血などの合併症時には胸痛、呼吸困難、咳嗽などの症状が現れることがある。まれに心臓や気管支の圧迫症状を呈する。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線前縦隔に境界明瞭な腫瘤影無症候例で偶発発見多い
胸部CT/MRI薄い壁を有する嚢胞性病変、内部均一な低吸収域内容液性で造影効果なし

画像所見により他の縦隔腫瘍や嚢胞性病変との鑑別が重要となる。確定診断には画像所見が決め手となり、必要に応じてエコーガイド下穿刺や外科的切除標本の病理診断が行われる。

治療

  • 第一選択:無症状例は経過観察、症状例や増大例では外科的切除
  • 補助療法:感染時は抗菌薬投与、ドレナージ
  • 注意点:再発は稀だが、感染や出血合併時は早期対応が必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
縦隔囊胞部位・壁の厚さ・内容物の性状CTで内容や壁の性状が異なる
気管支性囊胞気管支や肺門近傍、呼吸器症状を伴う気道との交通を認めることあり

補足事項

心膜囊腫は予後良好な疾患であり、無症状例では経過観察が原則である。まれに感染や出血などの合併症をきたすため、定期的な画像フォローが望ましい。

関連疾患