心原性脳梗塞

概要

心原性脳梗塞は、心臓に起因する血栓や塞栓子が脳血管に詰まることで発症する脳梗塞である。主な原因は心房細動などの不整脈で、重篤な神経障害をきたしやすい。再発や重症化のリスクが高く、迅速な診断と治療が重要である。

要点

  • 心房細動など心疾患が主な原因
  • 広範な脳梗塞や重篤な症状を呈しやすい
  • 抗凝固療法による再発予防が不可欠

病態・原因

心原性脳梗塞は、心房細動・心筋梗塞後・心臓弁膜症・心内膜炎などにより生じた心腔内血栓が、脳動脈に塞栓を起こすことで発症する。高齢、心疾患既往、人工弁装着などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

突然発症の片麻痺、構音障害、意識障害、失語などが典型的である。広範な脳領域の障害を呈しやすく、重度の意識障害や失見当識を伴うことが多い。

検査・診断

検査所見補足
頭部MRI・CT梗塞領域の描出急性期はDWIで高信号域
心電図心房細動・不整脈発作性も含めて評価
心エコー心腔内血栓の有無経食道エコーが有用
血液検査Dダイマー上昇等塞栓源検索の補助

心原性脳梗塞の診断は、画像での脳梗塞所見と心原性塞栓源の証明・強く疑われる背景から行う。心電図や心エコーで塞栓源評価を行い、他の原因(アテローム性、ラクナ梗塞)と鑑別する。

治療

  • 第一選択:急性期は血栓溶解療法(rt-PA)、抗凝固療法(ワルファリン・DOAC)
  • 補助療法:リハビリテーション、全身管理、再発予防のための心疾患治療
  • 注意点:出血リスク評価、抗凝固薬の適応・禁忌確認

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アテローム血栓性脳梗塞動脈硬化性リスク、局所症状頸動脈病変、心原性塞栓源なし
ラクナ梗塞小血管障害、小梗塞MRIで小病変、心疾患背景なし
一過性脳虚血発作一過性の症状、可逆性画像で明らかな梗塞なし

補足事項

心原性脳梗塞は重症例が多く、早期治療と再発予防が重要である。近年はDOACの適応拡大や、心房細動スクリーニングの重要性が増している。

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