小腸ポリープ
概要
小腸ポリープは小腸粘膜に発生する限局性の隆起性病変で、良性から悪性化のリスクを持つものまで多様な組織型が存在する。発見頻度は大腸や胃に比べて低いが、遺伝性疾患や偶発的に発見されることもある。出血や腸閉塞などの合併症に注意が必要である。
要点
- 小腸ポリープは良性腫瘍が多いが、腺腫性では悪性化リスクもある
- 無症状のことが多いが、出血や腸閉塞の原因となる
- 遺伝性ポリポーシス症候群の一部として発症することがある
病態・原因
小腸ポリープは腺腫性、過誤腫性、炎症性など多様な組織型があり、家族性腺腫性ポリポーシスやPeutz-Jeghers症候群などの遺伝性疾患が原因となることもある。加齢や慢性炎症、遺伝的素因がリスク因子となる。
主症状・身体所見
多くは無症状で偶発的に発見されるが、大きくなると腹痛、下血、タール便、腸閉塞症状(嘔吐・腹部膨満)を呈することがある。ポリープが多発する場合や遺伝性疾患では、貧血や体重減少もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| カプセル内視鏡 | 粘膜隆起性病変の直接観察 | 小腸全域の観察が可能 |
| ダブルバルーン内視鏡 | ポリープの局在・生検・切除 | 病理診断・治療も兼ねる |
| 画像検査(CT/MRエンテログラフィー) | 腫瘤・腸管拡張の有無 | 合併症や多発例の評価 |
診断は内視鏡的観察と組織生検による病理診断が基本となる。カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡での発見が主流であり、画像検査は合併症や他疾患との鑑別に有用である。
治療
- 第一選択:内視鏡的切除(ダブルバルーン内視鏡など)
- 補助療法:経過観察、貧血・出血時の対症療法
- 注意点:遺伝性疾患では定期的スクリーニングと家族歴の確認
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 大腸ポリープ | 発生部位が大腸 | 大腸内視鏡で観察可能 |
| GIST | 粘膜下腫瘍、筋層起源 | 画像で筋層由来・生検で診断 |
| Meckel憩室 | 先天性の腸管壁突出 | 99mTcシンチグラフィ等 |
補足事項
小腸ポリープは大腸や胃に比べて発見が難しく、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の普及で診断率が向上している。遺伝性症候群では消化管外腫瘍の合併にも留意が必要。