夢中遊行症

概要

夢中遊行症は、睡眠中に無意識で歩き回るなどの行動を示す睡眠障害の一種で、主に小児に多くみられる。本人は行動の記憶がなく、発症は深いノンレム睡眠時に起こることが特徴である。

要点

  • ノンレム睡眠中に発症し、本人の意識はない
  • 小児で多く、成長とともに自然軽快することが多い
  • 基礎疾患や誘因の評価が重要

病態・原因

夢中遊行症は、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)からの不完全な覚醒時に発症する。遺伝的素因や睡眠不足、発熱、ストレスなどが誘因となることがある。神経発達の未熟さも関与していると考えられる。

主症状・身体所見

睡眠中に突然起き上がり、歩き回る、物を動かす、簡単な動作を行うなどの行動がみられる。行動中は呼びかけに反応しにくく、翌朝本人はその行動を全く覚えていないことが多い。外傷リスクがあるため注意が必要。

検査・診断

検査所見補足
睡眠ポリグラフノンレム睡眠中の覚醒反応他の睡眠障害との鑑別に有用
臨床経過観察夜間の異常行動・記憶消失家族からの聞き取りが重要

診断は臨床症状と家族からの情報に基づく。睡眠時無呼吸症候群やてんかんなど他疾患の除外が必要であり、必要に応じて睡眠ポリグラフ検査を行う。

治療

  • 第一選択:安全対策と生活指導
  • 補助療法:睡眠衛生の改善、ストレス軽減
  • 注意点:重症例や頻回発作時は専門医紹介、薬物療法(ベンゾジアゼピン系等)は慎重に検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
てんかん行動のパターンが一定、発作時の異常脳波脳波で異常所見を認める
レム睡眠行動障害レム睡眠中に発症、夢内容を伴うポリグラフでレム期に発生

補足事項

成長とともに自然寛解することが多いが、成人まで持続する場合や外傷リスクが高い場合は専門的対応を要する。家族・同居者への説明と環境調整が重要である。

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