中心性漿液性脈絡網膜症
概要
中心性漿液性脈絡網膜症は、網膜色素上皮の障害により網膜下に漿液が貯留し、急性の視力低下や中心暗点をきたす疾患。比較的若年〜中年の男性に多く、自然軽快しやすいが再発や慢性化例もある。ストレスやステロイド使用との関連が指摘される。
要点
- 網膜下に漿液が貯留し、視力障害や中心暗点を生じる
- 若年〜中年男性、ストレスやステロイド使用がリスク因子
- 多くは自然軽快するが、再発や慢性化もある
病態・原因
網膜色素上皮のバリア機能障害により、脈絡膜からの漿液が網膜下に漏出して貯留する。精神的ストレス、内因性・外因性ステロイド、交感神経緊張などが誘因となることが多い。
主症状・身体所見
急性の片眼性視力低下、中心暗点、変視症(ものが歪んで見える)を自覚する。眼底検査で黄白色の網膜下液貯留や網膜剥離を認めることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 蛍光眼底造影 | 漏出点からの蛍光色素漏出 | “煙突状”または“インクブロット状”の漏出像 |
| 光干渉断層計(OCT) | 網膜下液の貯留 | 網膜色素上皮の隆起や剥離も観察される |
| 視力検査 | 軽度〜中等度の視力低下 | 中心暗点や変視症の程度を評価 |
OCTで網膜下液貯留を確認し、蛍光眼底造影で特有の漏出像を認めることで診断する。鑑別には加齢黄斑変性や網膜剥離などを考慮する。
治療
- 第一選択:経過観察(自然軽快例が多い)
- 補助療法:原因薬剤(ステロイド等)の中止、ストレス軽減指導
- 注意点:慢性例や再発例ではレーザー治療や抗VEGF薬投与も検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 加齢黄斑変性 | 高齢者、出血・滲出を伴う | OCTで新生血管や出血像 |
| 網膜剥離 | 視野欠損、光視症 | 眼底検査で網膜裂孔や剥離 |
| 糖尿病網膜症 | 糖尿病既往、網膜出血・浮腫 | 蛍光眼底造影で毛細血管瘤や無灌流域 |
補足事項
再発や慢性化の場合は視力障害が残存することもあり、長期経過観察が必要となる。近年、抗VEGF薬の有効性も報告されている。