Warthin腫瘍
概要
Warthin腫瘍は主に耳下腺に発生する良性唾液腺腫瘍で、中年以降の男性に多くみられる。組織学的には嚢胞性・乳頭状の上皮成分とリンパ組織が混在するのが特徴。喫煙との関連が強いとされる。
要点
- 耳下腺に好発する良性腫瘍
- 喫煙歴のある中高年男性に多い
- 両側性・多発性の発生もみられる
病態・原因
唾液腺の導管上皮由来で、嚢胞性変化とリンパ組織の増生を伴う。発症には喫煙が強く関与し、遺伝的素因も示唆されるが詳細は不明。慢性的な炎症や環境因子もリスクとなる。
主症状・身体所見
耳下腺部の無痛性腫瘤として発見されることが多い。腫瘍は弾性軟で可動性があり、発赤や圧痛は通常みられない。まれに両側性や多発性に発生する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 低エコーの嚢胞性腫瘤 | 内部に乳頭状構造を認めることあり |
| CT/MRI | 境界明瞭な嚢胞性腫瘤 | T2強調像で高信号、造影効果は乏しい |
| 穿刺吸引細胞診 | 上皮細胞とリンパ球の混在 | 診断の補助となるが確定診断は組織診断 |
画像検査で嚢胞性・境界明瞭な腫瘤を認める。確定診断は摘出組織の病理組織学的検査による。悪性化は極めて稀。
治療
- 第一選択:外科的摘出(耳下腺部分切除術)
- 補助療法:経過観察(高齢や合併症で手術困難時)
- 注意点:顔面神経損傷など術後合併症に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 多形腺腫 | より硬く、表面不整なことが多い | MRIで内部構造が異なる |
| 唾液腺癌 | 増大が速く、圧痛や顔面神経麻痺を伴う | 造影効果や浸潤像を認める |
| 唾石症 | 疼痛や唾液分泌時の腫脹が主 | 画像で石灰化を認める |
補足事項
Warthin腫瘍は良性であり再発や悪性化は極めて稀だが、多発・両側性例もあり注意が必要。喫煙者では発生リスクが高いため、生活指導も重要となる。