Schloffer腫瘤
概要
Schloffer腫瘤は、腹部手術後に形成される遅発性の炎症性肉芽腫であり、術後数年を経て腹腔内や腹壁に発生する。多くは異物(縫合糸など)に対する慢性的な炎症反応が原因となる。悪性腫瘍との鑑別が重要である。
要点
- 腹部手術後に発生する炎症性腫瘤
- 異物反応や慢性炎症が主な原因
- 悪性腫瘍との鑑別が必要
病態・原因
主に腹部手術で使用された縫合糸やガーゼなどの異物が長期間体内に残存し、慢性的な炎症反応を引き起こすことで肉芽腫が形成される。発症までに数年を要することが多い。
主症状・身体所見
腹部腫瘤の触知、軽度の圧痛、時に発熱などがみられる。腫瘤は徐々に増大することがあり、悪性腫瘍や膿瘍との鑑別を要する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 画像検査(CT/MRI) | 腹壁や腹腔内の腫瘤 | 境界明瞭な腫瘤、時に内部壊死や石灰化 |
| 超音波検査 | 低エコー域を有する腫瘤 | 内部に異物エコーを認めることも |
| 病理組織検査 | 肉芽腫性炎症、異物反応 | 確定診断には組織診断が必須 |
画像所見では腫瘤性病変として認められるが、悪性腫瘍や膿瘍との鑑別が困難な場合が多い。確定診断には病理組織検査が重要となる。
治療
- 第一選択:外科的切除による腫瘤摘出
- 補助療法:感染兆候があれば抗菌薬投与
- 注意点:悪性腫瘍との鑑別、再発防止のため異物除去
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Braun腫瘤 | 手術後の異物反応腫瘤、部位や発症時期で鑑別 | 病理組織で異物反応の有無 |
| 腹腔内膿瘍 | 発熱や炎症反応が強い、膿瘍形成 | 画像で液体貯留やガス像 |
補足事項
Schloffer腫瘤は近年減少傾向にあるが、非吸収性縫合糸の使用や異物残存が原因となるため、術後経過観察と異物管理が重要である。