Reiter症候群
概要
Reiter症候群は、尿道炎、関節炎、結膜炎を三徴とする反応性関節炎の一種であり、主に感染症(特に性器あるいは消化管感染)後に発症する。HLA-B27陽性例が多く、若年成人男性に多い疾患である。
要点
- 感染後に発症する非化膿性関節炎
- 尿道炎・結膜炎・関節炎の三徴が特徴
- HLA-B27陽性者で発症リスクが高い
病態・原因
主にクラミジアや腸内細菌(サルモネラ、シゲラ、カンピロバクターなど)による感染後、免疫反応の異常により関節炎等が発症する。遺伝的素因としてHLA-B27陽性が関与する。
主症状・身体所見
膝や足関節などの下肢大関節を中心とした非対称性関節炎が主で、発熱や全身倦怠感を伴う。尿道炎や膀胱炎症状、結膜炎や虹彩炎、皮膚粘膜症状(バラヌス炎、角化性皮疹など)もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 炎症反応亢進(CRP↑、ESR↑) | HLA-B27陽性例が多い |
| 関節液検査 | 無菌性・白血球増多 | 細菌培養は陰性 |
| 尿道・便培養 | 原因菌検出(クラミジア等) | 感染既往の確認 |
臨床的には感染症の既往、三徴症状の組み合わせ、関節液の無菌性、HLA-B27陽性などから診断する。画像では関節炎の所見がみられるが、特異的な変化は少ない。
治療
- 第一選択:NSAIDsによる対症療法
- 補助療法:抗菌薬(原因菌が残存する場合)、理学療法、局所ステロイド注射
- 注意点:慢性化や再発に注意し、HLA-B27陽性例では経過観察を厳重に行う
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 関節リウマチ | 多発・対称性関節炎、リウマトイド因子 | リウマトイド因子・抗CCP抗体陽性 |
| Behçet病 | 口腔・外陰部潰瘍、ぶどう膜炎 | パステスト陽性、HLA-B51陽性例あり |
| 強直性脊椎炎 | 脊椎・仙腸関節障害 | 仙腸関節X線所見、HLA-B27陽性 |
補足事項
Reiter症候群は近年「反応性関節炎」と呼称されることが多い。性器感染症や消化管感染症の流行時には特に注意が必要であり、慢性化例では生物学的製剤の適応も検討される。