Leser-Trélat徴候

概要

Leser-Trélat徴候は、急激に多発する脂漏性角化症と悪性腫瘍(特に消化管癌)の合併を特徴とする皮膚所見である。皮膚の変化が内臓悪性腫瘍の発見の契機となることがある。悪性腫瘍のパラネオプラスティック症候群の一つに分類される。

要点

  • 急速に多発する脂漏性角化症が特徴
  • 内臓悪性腫瘍、特に消化管癌との関連が強い
  • 悪性腫瘍の早期発見につながる重要な皮膚所見

病態・原因

Leser-Trélat徴候は、腫瘍が産生する増殖因子などによって脂漏性角化症が急増する現象である。特に胃癌や大腸癌など消化管腫瘍で多くみられるが、他の悪性腫瘍でも発生することがある。

主症状・身体所見

主に体幹部を中心に、急激に多発する褐色~黒色の隆起性皮疹(脂漏性角化症)が出現する。皮疹はしばしば痒みを伴い、数週間から数か月で急増する点が特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
皮膚診察多発する脂漏性角化症急速な増加がポイント
全身検索原発悪性腫瘍の発見消化管・乳腺・肺などを中心に検索

皮膚所見の急速な発症が診断の手がかりとなる。腫瘍マーカーや画像検査(腹部CT、上部・下部消化管内視鏡など)で悪性腫瘍の精査を行う。

治療

  • 原因腫瘍の治療(手術、化学療法など)が中心
  • 皮膚病変自体は対症療法(外用薬等)
  • 皮膚所見の改善は腫瘍治療により得られることが多い

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
老人性脂漏性角化症ゆっくりと出現し加齢とともに増加悪性腫瘍の合併なし
黒色表皮腫皮膚の肥厚・色素沈着が主しばしば糖尿病や悪性腫瘍合併

補足事項

皮膚所見が内臓悪性腫瘍の早期発見につながるため、Leser-Trélat徴候を見逃さないことが重要である。脂漏性角化症の急増を認めた場合は全身の悪性腫瘍精査を行う。

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