Lambert-Eaton症候群

概要

Lambert-Eaton症候群は自己免疫機序により神経筋接合部に障害が生じる疾患で、特に小細胞肺癌などの悪性腫瘍に合併することが多い。下肢近位筋の筋力低下と易疲労性が主徴であり、重症筋無力症と類似するが異なる特徴を持つ。抗電位依存性カルシウムチャネル抗体の存在が診断の手がかりとなる。

要点

  • 神経筋接合部の伝達障害による筋力低下
  • 小細胞肺癌など悪性腫瘍との関連が強い
  • 抗VGCC抗体が診断・治療の指標となる

病態・原因

自己免疫反応により神経終末の電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)が障害され、アセチルコリン放出が低下することで神経筋伝達が障害される。悪性腫瘍(特に小細胞肺癌)に伴う傍腫瘍症候群として発症することが多い。

主症状・身体所見

下肢近位筋優位の筋力低下と易疲労性が主徴で、腱反射の低下や消失もみられる。筋力は反復運動や持続的収縮で一時的に改善する現象(facilitation)が特徴的。自律神経症状(口渇、便秘、起立性低血圧など)を伴うことも多い。

検査・診断

検査所見補足
血中抗VGCC抗体陽性診断の決め手となる
反復神経刺激試験高頻度刺激で複合筋活動電位増大facilitation現象が特徴的
胸部画像検査腫瘍の有無小細胞肺癌の検索

抗VGCC抗体の検出が診断の重要な根拠となり、電気生理学的検査で高頻度刺激時のCMAP増大(facilitation)がみられる。腫瘍検索として胸部CTなども必須。

治療

  • 原因腫瘍の治療(手術・化学療法など)
  • 免疫抑制療法(ステロイド、免疫グロブリン静注など)
  • 対症療法:3,4-ジアミノピリジン、ピリドスチグミンなど

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
重症筋無力症眼筋優位、facilitationなし抗AChR抗体陽性、低頻度刺激で減衰
多発性筋炎筋炎症状、自己免疫疾患合併筋生検で筋線維変性、CK上昇

補足事項

悪性腫瘍の有無が予後や治療方針を大きく左右するため、発症時は念入りな腫瘍検索が重要となる。重症筋無力症との鑑別が臨床上しばしば課題となる。

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