Kaposi水痘様発疹症
概要
Kaposi水痘様発疹症は、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を有する皮膚に単純ヘルペスウイルス(HSV)感染が加わり、全身性に水疱性発疹を呈する急性ウイルス性皮膚感染症である。小児や免疫抑制状態の患者で重症化しやすい。適切な抗ウイルス治療が必要となる。
要点
- 単純ヘルペスウイルスによる全身性水疱性発疹
- 既存の皮膚疾患(特にアトピー性皮膚炎)がリスク
- 迅速な抗ウイルス薬投与が重症化予防に重要
病態・原因
Kaposi水痘様発疹症は、主に単純ヘルペスウイルス(HSV-1またはHSV-2)がアトピー性皮膚炎などバリア機能低下を伴う皮膚に感染することで発症する。免疫抑制や小児などで発症リスクが高まる。
主症状・身体所見
全身または広範囲にわたる小水疱、膿疱、びらん、潰瘍などが急速に出現し、発熱や全身倦怠感を伴うことが多い。顔面や頸部、体幹に好発し、疼痛やリンパ節腫脹を認めることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ウイルス分離・PCR | HSV-1/2陽性 | 水疱内容液や皮膚擦過物から検出 |
| Tzanck試験 | 多核巨細胞の検出 | 迅速診断法 |
| 血液検査 | 白血球増多、CRP上昇など | 全身状態の把握 |
HSV特異的なPCRやウイルス分離が確定診断に有用である。Tzanck試験で多核巨細胞が認められる。臨床的には基礎疾患の有無や急速な発症経過も診断の手がかりとなる。
治療
- 第一選択:アシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬全身投与
- 補助療法:二次感染予防のための抗菌薬、皮膚保護、支持療法
- 注意点:早期治療開始と重症例での入院管理、免疫抑制患者は重症化リスク高
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 水痘・帯状疱疹 | 皮疹の分布と経過、既往歴 | VZV抗体・PCR |
| アトピー性皮膚炎 | 慢性的な湿疹、急激な水疱出現なし | HSV検査陰性 |
| 伝染性膿痂疹 | 黄色ブドウ球菌・溶連菌感染、膿痂皮膚症状 | 細菌培養で病原菌同定 |
補足事項
成人でも免疫抑制状態では重症化しやすく、眼病変や全身合併症に注意が必要。早期発見・治療が予後改善に直結する。