IgG4関連疾患

概要

IgG4関連疾患は、血清IgG4高値と組織でのIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする全身性の炎症性疾患群である。膵臓や胆道、涙腺、唾液腺など多臓器に病変を形成し、自己免疫機序が関与する。中高年男性に多く、臓器腫大や線維化を来すことがある。

要点

  • 多臓器に腫大・線維化・腫瘤形成をきたす慢性炎症性疾患
  • 血清IgG4高値と組織でのIgG4陽性細胞浸潤が診断の要
  • ステロイド治療が著効し、早期治療により機能障害を防ぐ

病態・原因

自己免疫機序が関与し、IgG4陽性形質細胞の異常増殖と炎症性線維化が多臓器で生じる。発症リスクには遺伝的背景や環境因子があるとされるが、詳細な原因は未解明である。

主症状・身体所見

膵腫大、閉塞性黄疸、唾液腺・涙腺腫大、リンパ節腫脹などがみられる。臓器障害による機能低下や腫瘤形成が主な症候であり、無症状例も存在する。

検査・診断

検査所見補足
血清IgG4値高値135 mg/dL以上が診断の目安
画像検査(CT/MRI)臓器腫大、腫瘤様病変、線維化所見膵腫大や胆道狭窄などを描出
組織生検IgG4陽性形質細胞浸潤、線維化、静脈炎免疫染色でIgG4/IgG比>40%など

診断は血清IgG4高値、臓器腫大・腫瘤形成、組織所見(IgG4陽性形質細胞浸潤と線維化)を総合して行う。画像では膵腫大や胆道狭窄、唾液腺腫大などが特徴的。

治療

  • 第一選択:プレドニゾロンなどのステロイド内服
  • 補助療法:免疫抑制薬(アザチオプリン等)、臓器障害に応じた対症療法
  • 注意点:再発例では維持療法や免疫抑制薬併用を考慮、早期治療で不可逆的障害を予防

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
自己免疫性膵炎IgG4関連疾患の膵病変が主体血清IgG4高値・膵腫大
膵癌進行性腫瘤・遠隔転移腫瘍マーカー上昇・組織診断
シェーグレン症候群乾燥症状が主、IgG4関連疾患との鑑別要IgG4陰性・抗SS-A/SS-B抗体陽性

補足事項

再発例や難治例ではリツキシマブ等の生物学的製剤が検討される。腫瘍との鑑別が重要であり、組織診断が不可欠。膵、胆道、涙腺、唾液腺以外にも腎臓、肺、後腹膜など多彩な臓器障害を呈する。

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