Charcot-Marie-Tooth病
概要
Charcot-Marie-Tooth病は、主に末梢神経の進行性障害をきたす遺伝性ニューロパチーである。運動神経と感覚神経の両方が障害され、筋萎縮や感覚障害が進行する。発症年齢や症状の進行度には個人差が大きい。
要点
- 遺伝性の進行性末梢神経障害
- 下肢遠位筋の萎縮・筋力低下が主症状
- 感覚障害や足変形も特徴的
病態・原因
Charcot-Marie-Tooth病は、複数の遺伝子異常により末梢神経髄鞘や軸索の形成・維持が障害されることで発症する。常染色体優性遺伝が多いが、劣性遺伝やX連鎖型も存在する。遺伝子異常により髄鞘形成障害型(CMT1型)と軸索障害型(CMT2型)に大別される。
主症状・身体所見
小児期から青年期にかけて下肢遠位筋(特に腓腹筋や足部筋群)の萎縮・筋力低下が出現し、歩行障害や尖足・ハンマー趾などの足変形を伴う。感覚障害(特に振動覚・位置覚低下)もみられ、上肢遠位筋や手指の筋力低下が進行する場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 神経伝導検査 | 伝導速度低下・振幅低下 | CMT1型:伝導速度著明低下、CMT2型:振幅低下主体 |
| 遺伝子検査 | PMP22重複や他の遺伝子変異 | 診断確定や型分類に有用 |
| 筋電図 | 神経原性変化 | 慢性経過を示す |
神経伝導検査での伝導速度や振幅の異常が診断の中心となる。遺伝子検査で原因遺伝子の同定が可能。筋生検は補助的に行われることがあるが、現在は遺伝子診断が主流。
治療
- 第一選択:対症療法(リハビリテーション、装具)
- 補助療法:変形予防や手術的矯正、疼痛管理
- 注意点:遺伝カウンセリング、二次障害の予防
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖尿病性ニューロパチー | 糖尿病既往・左右差少 | 血糖異常・全身性合併症 |
| 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー | 急性~亜急性発症・治療反応性 | 髄液蛋白上昇・免疫治療効果 |
補足事項
進行は緩徐だが生活機能への影響が大きく、早期からのリハビリ・社会的支援が重要となる。遺伝子治療の研究も進行中である。