Chédiak-Higashi症候群

概要

Chédiak-Higashi症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる希少な免疫不全症であり、好中球などの細胞内小器官の異常による易感染性・出血傾向・部分的白皮症を主徴とする。幼児期に発症し、進行性の神経障害やリンパ増殖性発作(アクセラレーテッドフェーズ)を伴うことが多い。

要点

  • 好中球機能障害による重篤な易感染性
  • 部分的白皮症や銀髪、出血傾向などの特徴的身体所見
  • 進行例ではリンパ増殖性発作や神経障害を来す

病態・原因

リソソーム関連オルガネラの輸送異常をきたすLYST遺伝子の変異が原因で、顆粒球やメラノサイト、血小板などの細胞内小器官形成障害が発生する。これにより殺菌能低下、色素異常、止血障害が生じる。

主症状・身体所見

反復する細菌感染症(皮膚・呼吸器・粘膜)、部分的白皮症や銀髪、眼の虹彩色素減少、紫斑や出血傾向がみられる。進行例では神経症状(運動失調・末梢神経障害)やリンパ球増殖性疾患様の発熱・肝脾腫・汎血球減少を伴う。

検査・診断

検査所見補足
末梢血塗抹巨大な好中球顆粒診断的価値が高い
骨髄検査巨大顆粒を有する白血球進行例で異形成も
遺伝子検査LYST遺伝子変異確定診断に有用

診断は臨床所見と血液塗抹標本での巨大顆粒白血球の確認が重要。遺伝子解析でLYST遺伝子変異の同定が確定診断となる。進行例では汎血球減少や肝脾腫、髄液異常を認めることもある。

治療

  • 第一選択:造血幹細胞移植
  • 補助療法:抗菌薬投与・感染予防・対症療法
  • 注意点:早期移植が予後改善に重要、アクセラレーテッドフェーズでは化学療法併用

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
慢性肉芽腫症カタラーゼ陽性菌感染反復・色素異常なし巨大顆粒なし、NBT試験異常
Griscelli症候群銀髪・免疫不全・神経障害巨大顆粒なし、MYO5A/RAB27A変異
Wiskott-Aldrich症候群出血傾向・湿疹・免疫不全巨大顆粒なし、小血小板

補足事項

アクセラレーテッドフェーズ(急性増悪期)は治療困難で予後不良となるため、早期診断・早期造血幹細胞移植が最重要。日本では極めて稀な疾患である。

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