CREST症候群

概要

CREST症候群は、強皮症の亜型であり、皮膚硬化を中心に、石灰沈着、Raynaud現象、食道運動障害、指の硬化(硬指症)、毛細血管拡張を特徴とする。進行は緩徐で、全身性強皮症よりも予後は比較的良好とされる。

要点

  • 強皮症の限局型で、5徴候(CREST)が特徴
  • 抗セントロメア抗体が陽性となることが多い
  • 肺高血圧症や食道障害など臓器障害を合併しうる

病態・原因

自己免疫機序により、血管内皮障害や線維化が生じる。遺伝的素因と環境因子が発症に関与し、抗セントロメア抗体の存在が特徴的である。全身性強皮症の一型であり、臓器障害の程度や分布が異なる。

主症状・身体所見

Raynaud現象が初発症状となることが多く、手指や足趾の冷感・色調変化がみられる。皮膚の硬化(特に指先)、石灰沈着、毛細血管拡張、食道運動障害による嚥下困難などが主な症状である。

検査・診断

検査所見補足
抗核抗体(ANA)抗セントロメア抗体陽性特異的な自己抗体
食道造影・内視鏡食道運動低下・拡張食道の蠕動運動障害を確認
血液検査CK正常、炎症反応軽度他膠原病との鑑別に有用

診断は、5徴候(石灰沈着、Raynaud現象、食道運動障害、硬指症、毛細血管拡張)のうち3つ以上の存在と抗セントロメア抗体の検出で確定する。画像検査で食道の運動障害や石灰沈着を確認することも重要である。

治療

  • 第一選択:症状に応じた対症療法(血管拡張薬、免疫抑制薬)
  • 補助療法:リハビリテーション、皮膚保湿、胃食道逆流症状へのPPI
  • 注意点:肺高血圧症や間質性肺疾患の早期発見・管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
強皮症皮膚硬化が広範囲、内臓障害が強い抗Scl-70抗体陽性が多い
関節リウマチ多関節炎・骨びらん主体抗CCP抗体、リウマトイド因子
全身性エリテマトーデス多彩な全身症状、蝶形紅斑抗dsDNA抗体、低補体血症

補足事項

CREST症候群は全身性強皮症の中でも比較的予後が良いが、肺高血圧症の合併には注意が必要。抗セントロメア抗体陽性例は腎障害が少ない傾向がある。

関連疾患