Bartholin腺囊胞
概要
Bartholin腺囊胞は外陰部に存在するBartholin腺の排泄管が閉塞し、腺分泌物が貯留することで形成される嚢胞性病変である。多くは無症状だが、感染や増大により痛みや腫脹を生じることもある。生殖年齢女性に比較的多くみられる。
要点
- 外陰部の腫脹・圧痛を呈することがある
- 感染時は膿瘍形成に進展する場合がある
- 再発しやすく、治療には再発予防も重要
病態・原因
Bartholin腺の排泄管が炎症や外傷などにより閉塞し、腺分泌物が排出されずに腺内に貯留して嚢胞を形成する。性感染症や分娩後の外陰部損傷がリスク因子となる。
主症状・身体所見
多くは無症状だが、外陰部の一側に軟らかい腫瘤が触知される。嚢胞が大きくなると圧痛や歩行時の違和感を自覚することがある。感染を伴うと発赤・熱感・強い疼痛を呈する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 外陰部の一側に腫瘤を認める | 皮下に柔らかい嚢胞性腫瘤を触知 |
| 超音波検査 | 嚢胞性病変を確認 | 内容液の貯留や膿瘍形成の有無を評価 |
視診と触診で典型的な腫瘤を確認し、超音波検査で嚢胞の性状や感染の有無を評価する。悪性腫瘍との鑑別が必要な場合はMRIや病理検査も考慮する。
治療
- 第一選択:無症状なら経過観察、症状があれば穿刺・開窓術
- 補助療法:感染合併時は抗菌薬投与、 Sitz bathなどの局所清潔
- 注意点:再発例や難治例ではBartholin腺摘出術を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Bartholin腺炎 | 急性発症・強い疼痛・発赤 | 膿瘍形成・炎症所見が主体 |
| 外陰部皮様嚢腫 | 小児~若年女性・表在性腫瘤 | 内容物が脂肪や毛髪など |
補足事項
閉経後や再発例では悪性腫瘍の可能性も考慮する。再発予防には開窓術や摘出術が有効とされる。嚢胞の大きさや症状により治療方針を選択する。