22q11.2欠失症候群

概要

22q11.2欠失症候群は、22番染色体長腕の微細欠失を原因とする多彩な表現型を示す先天性疾患である。DiGeorge症候群やvelocardiofacial症候群としても知られ、心奇形、免疫不全、顔貌異常、精神発達遅滞など多臓器にわたる症状を呈する。出生1万人あたり約1人の頻度で発生する。

要点

  • 染色体22q11.2の微細欠失による多臓器障害
  • 心奇形・免疫不全・特徴的顔貌など多様な症状
  • 早期診断と多職種による包括的管理が重要

病態・原因

22番染色体長腕(q11.2領域)の微細欠失によって、TBX1遺伝子など複数の遺伝子が失われることで発症する。遺伝形式は多くがde novoだが、家族性の場合もある。胚発生期の第3・第4鰓弓の発達障害が中心的な病態である。

主症状・身体所見

代表的な症状は心奇形(ファロー四徴症、心室中隔欠損症など)、免疫不全(胸腺低形成)、低カルシウム血症(副甲状腺低形成)、特徴的顔貌(耳介低位、口蓋裂、細長い顔など)、発達遅滞や精神症状である。個々の症状の発現にはばらつきが大きい。

検査・診断

検査所見補足
FISH法22q11.2領域の欠失検出標準的な遺伝学的検査
染色体マイクロアレイ微細欠失の高感度検出微細な欠失も同定可能
心エコー心奇形(VSD, TOFなど)先天性心疾患の評価
血液検査低カルシウム血症、T細胞減少副甲状腺・免疫機能評価

遺伝学的検査(FISHまたはマイクロアレイ)による22q11.2欠失の証明が診断の決め手となる。心エコーや血液検査で臓器障害の有無を確認する。診断基準は臨床症状と遺伝子検査の組み合わせによる。

治療

  • 第一選択:症状ごとの対症療法(心奇形手術、カルシウム補充、感染予防など)
  • 補助療法:発達支援、言語療法、心理社会的サポート
  • 注意点:免疫不全へのワクチン接種制限、長期フォローアップ

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Down症候群21trisomy、特徴的顔貌、筋緊張低下染色体検査で21trisomy
猫鳴き症候群5p欠失、猫の鳴き声様啼泣、成長障害FISHで5p欠失
Williams症候群7q11.23欠失、特徴的顔貌、心血管異常FISHで7q11.23欠失

補足事項

本症候群は症状の個人差が非常に大きく、成人まで診断されない例も存在する。精神・行動症状や社会適応の問題にも注意し、長期的な多職種連携が不可欠である。

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