高ナトリウム血症

概要

高ナトリウム血症は血清ナトリウム濃度が145mEq/Lを超える状態を指し、主に水分の喪失やナトリウムの過剰摂取によって生じる。高齢者や意識障害患者で脱水に伴い発症しやすく、中枢神経症状が主に出現する。

要点

  • 血清ナトリウム145mEq/L超で診断
  • 脱水や水分摂取障害が主な原因
  • 進行例では意識障害や痙攣を来す

病態・原因

高ナトリウム血症は、体液の水分喪失がナトリウム喪失よりも優位に進行することで発症する。主な原因は不感蒸泄や下痢、多尿、発汗過多、中枢性・腎性尿崩症、水分摂取障害、まれにナトリウム過剰投与である。

主症状・身体所見

口渇、乏尿、皮膚の乾燥、発熱、頻脈など脱水症状が主体となる。重症例では意識障害、譫妄、痙攣、筋強直、昏睡などの中枢神経症状がみられる。

検査・診断

検査所見補足
血清ナトリウム145mEq/L超重症度評価に用いる
血清浸透圧上昇(295mOsm/kg超)脱水・高張性の指標
尿浸透圧低値または高値(原因による)尿崩症では低下

血清ナトリウム濃度と浸透圧の測定が診断の基本であり、病態把握のために尿浸透圧や尿量も評価する。急激な補正は脳浮腫を来すため注意が必要。

治療

  • 第一選択:緩徐な水分補給(経口または静脈補液)
  • 補助療法:原因疾患の治療(例:尿崩症にはデスモプレシン)
  • 注意点:急速補正は脳浮腫を誘発するため、1日10mEq/L以内の補正速度を厳守

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
低ナトリウム血症ナトリウム低値・水分過剰血清Na低下・低浸透圧
脱水症ナトリウム正常または低下、臨床的脱水徴候血清Na正常~低値

補足事項

高ナトリウム血症は高齢者や小児、意識障害患者で特に注意が必要であり、慢性例では補正速度をより緩徐にする。水分補給時は心不全や腎機能障害の合併に注意する。

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