髄膜腫
概要
髄膜腫は脳や脊髄を覆う髄膜から発生する代表的な原発性脳腫瘍で、主に良性であるが、まれに悪性例も存在する。中高年女性に多く、ゆっくりと進行し無症状のことも多い。発見時には腫瘍の局在や大きさにより多様な神経症状を呈する。
要点
- 髄膜由来の良性腫瘍が主体
- ゆっくりと増大し、症状は局在に依存
- 画像診断と病理診断が重要
病態・原因
髄膜腫はくも膜細胞由来の腫瘍で、頭蓋内外の髄膜に発生する。リスク因子としては放射線被曝や女性ホルモンが挙げられ、遺伝性疾患(神経線維腫症2型)との関連も指摘されている。
主症状・身体所見
無症状で偶発的に発見されることも多いが、頭痛、けいれん、局所神経症状(片麻痺、視力障害、失語など)が出現する。腫瘍の部位によって症状は大きく異なる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| MRI | 境界明瞭な腫瘤、造影効果 | ドゥーレテール徴候、硬膜尾徴候 |
| CT | 石灰化、骨の変化 | 骨肥厚や骨浸潤も |
MRIで腫瘍の位置・大きさ・周囲組織との関係を評価し、造影効果や硬膜尾徴候が診断の手がかりとなる。確定診断には病理組織検査が必要。
治療
- 第一選択:手術的摘出
- 補助療法:放射線治療(手術困難例や再発例)
- 注意点:全摘困難例や高齢者では経過観察も選択肢
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 膠芽腫 | 増殖速度が速く浸潤性 | 境界不明瞭、造影不均一 |
| 神経鞘腫 | 聴神経領域に発生しやすい | MRIで内部構造の違い |
補足事項
髄膜腫の多くは良性であるが、WHO分類により悪性度(グレードI~III)が定められている。再発や増大例では長期フォローが必要。