骨巨細胞腫
概要
骨巨細胞腫は主に長管骨の骨端部に発生する良性腫瘍で、20~40歳代に多くみられる。局所浸潤性が強く、再発率も高いが、転移は稀である。組織学的には多核巨細胞が特徴的で、骨破壊性病変を形成する。
要点
- 若年成人に多い良性だが局所侵襲性の骨腫瘍
- 骨端部に発生し、疼痛や腫脹が主症状
- 再発しやすく、まれに肺転移を生じる
病態・原因
骨巨細胞腫は骨芽細胞由来の間葉系腫瘍であり、腫瘍内で多核巨細胞が増殖する。原因は明確でないが、骨端部の成熟後に発生しやすい。骨破壊を伴い、関節近傍での発生が多い。
主症状・身体所見
局所の疼痛、腫脹、運動制限が主要症状である。進行例では病的骨折をきたすこともある。触診で腫瘤を認める場合があり、関節機能障害がみられることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線検査 | 骨端部の溶骨性腫瘤、皮質骨菲薄化 | 石鹸泡状像や膨隆性骨破壊が特徴 |
| MRI | 腫瘍の範囲・軟部進展の評価 | T1低信号・T2高信号、境界明瞭 |
| 病理組織診断 | 多核巨細胞の増生、類骨形成を伴う | 確定診断に必須 |
X線で骨端部の溶骨性病変を認め、MRIで腫瘍の広がりや軟部組織への進展を評価する。最終的には生検による組織診断が必要となる。
治療
- 第一選択:腫瘍掻爬術+骨移植または骨セメント充填
- 補助療法:フェノール処理、凍結療法、デノスマブ投与
- 注意点:再発例や広範囲病変では切除術や再建術を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 骨肉腫 | 若年者、骨幹部、骨形成像 | X線で骨形成性腫瘍 |
| 転移性骨腫瘍 | 高齢者、既知の原発癌 | 多発性、骨破壊像+骨硬化像 |
| 骨軟骨腫 | 小児~若年、骨幹端、外骨腫 | 骨外突起、骨髄連続性あり |
補足事項
再発率は高く、術後も定期的な画像フォローが必要となる。デノスマブ(RANKL阻害薬)は切除困難例や再発例で有効性が報告されている。