選択緘黙
概要
選択緘黙は、特定の状況や場面でのみ話すことができなくなる不安障害の一種であり、幼児期から学童期に発症することが多い。家庭など安心できる環境では話せるが、学校や社会的場面では発語が著しく制限される。社会的交流や学業に支障をきたすことがある。
要点
- 特定場面でのみ発語ができない不安障害
- 幼児~学童期に発症し、家庭では話せることが多い
- 社会的・学業的機能に影響を及ぼす
病態・原因
遺伝的素因や気質(不安傾向、内向性)、家庭環境、過去のトラウマ体験などが関与し、社会的状況での強い不安が発語の抑制を引き起こす。発達障害や他の精神疾患との併存もみられる。
主症状・身体所見
家庭など安心できる場では普通に話せるが、学校や公共の場など特定の状況では全く話せなくなる。表情やジェスチャーで意思表示を行うこともあり、沈黙により対人関係や学業成績に支障をきたす。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 精神科面接 | 特定場面での沈黙 | 家庭では会話可能 |
| 行動観察 | 非言語的コミュニケーション | 表情・ジェスチャーの活用 |
診断はDSM-5の基準に基づき、他の発語障害や発達障害、器質的疾患を除外して行う。画像検査や血液検査は原則不要。
治療
- 第一選択:心理社会的介入(認知行動療法、段階的暴露療法など)
- 補助療法:家族支援、学校との連携、必要に応じて薬物療法(抗不安薬等)
- 注意点:無理な発語強要は逆効果となるため慎重な対応が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 社会不安障害 | 広範な対人不安・回避 | 発語障害はない |
| 発達性言語障害 | 全場面で発語困難 | 家庭でも話せない |
補足事項
早期発見・介入が予後改善に重要であり、学校や家族の理解と協力が不可欠。発達障害や他の精神疾患との鑑別・併存にも注意が必要。