過活動性膀胱
概要
過活動性膀胱は、尿意切迫感を主症状とし、頻尿や夜間頻尿、切迫性尿失禁を伴うことが多い膀胱機能障害である。明らかな感染や他の疾患による説明がつかない場合に診断される。中高年女性に多くみられるが、男性にも発症する。
要点
- 尿意切迫感が中心症状で日常生活に支障をきたす
- 器質的疾患や感染症が除外された場合に診断
- 抗コリン薬やβ3作動薬を中心とした薬物療法が主流
病態・原因
膀胱平滑筋(排尿筋)の過剰な収縮や膀胱知覚の異常が病態の中心で、神経因性・非神経因性の両側面がある。加齢、骨盤底筋の機能低下、前立腺肥大症などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
特徴的な症状は突然強い尿意を感じる尿意切迫感で、頻尿(昼間8回以上)、夜間頻尿(夜間1回以上)、切迫性尿失禁を伴う場合もある。身体所見は特異的なものは少ない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿検査 | 感染や血尿の除外 | 他疾患の除外目的 |
| 膀胱日誌 | 頻尿・夜間頻尿・失禁の記録 | 症状の客観的把握 |
| 超音波検査 | 残尿量・膀胱壁肥厚の評価 | 前立腺肥大や腫瘍除外 |
診断は主に症状と膀胱日誌から行い、尿路感染症や膀胱腫瘍、尿路結石などの器質的疾患を除外する。画像検査や尿流動態検査が必要な場合もある。
治療
- 第一選択:抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬
- 補助療法:膀胱訓練、骨盤底筋訓練
- 注意点:高齢者では副作用(口渇、便秘、認知機能低下)に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 膀胱炎 | 排尿時痛・尿混濁・発熱を伴う | 尿検査で白血球・細菌陽性 |
| 前立腺肥大症 | 排尿困難・尿線細い・残尿感 | 超音波で前立腺腫大 |
| 神経因性膀胱 | 神経疾患の既往・失禁の型が多彩 | 尿流動態検査で異常検出 |
補足事項
生活習慣の改善(カフェイン・アルコール制限、体重管理)も症状緩和に役立つ。近年は新規薬剤やボツリヌス毒素膀胱内注入療法も選択肢となる。