輪状膵

概要

輪状膵は膵臓組織が十二指腸の周囲を環状に取り囲む先天性奇形である。新生児や乳児では腸閉塞症状を、成人では消化管狭窄や胆道障害を呈することが多い。症状の有無や重症度は個人差が大きい。

要点

  • 先天性の膵臓発生異常で十二指腸狭窄をきたす
  • 小児の腸閉塞、成人の消化器症状の原因となる
  • CTやMRIなど画像診断が確定に有用

病態・原因

胎生期の膵臓発生異常により、膵組織が十二指腸を取り囲むように発育することで発症する。これにより十二指腸の狭窄や閉塞を生じ、消化管通過障害の原因となる。

主症状・身体所見

新生児では胆汁性嘔吐や腹部膨満、腸閉塞症状がみられる。成人では腹痛、嘔吐、食欲不振、体重減少、時に胆道系の閉塞による黄疸を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
腹部超音波・CT十二指腸を環状に囲む膵組織、十二指腸拡張画像で環状構造を確認
上部消化管造影十二指腸の狭窄、double bubble sign新生児の診断に有用
MRI/MRCP膵管走行異常、胆道合併症の評価膵胆道奇形の精査に有用

画像検査で十二指腸を取り囲む膵組織を確認することで診断する。新生児ではdouble bubble signが特徴的であり、成人ではCTやMRIによる詳細な評価が重要となる。

治療

  • 第一選択:十二指腸空腸吻合術などバイパス手術
  • 補助療法:対症療法(輸液、電解質補正、栄養管理)
  • 注意点:狭窄部切除は膵損傷のリスクが高く原則行わない

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
先天性十二指腸閉鎖症十二指腸完全閉鎖、輪状膵では膵組織の環状性画像で膵組織の有無
腸回転異常症腸管の位置異常、血流障害のリスク造影で腸管走行異常
十二指腸憩室憩室構造による局所狭窄造影や内視鏡で憩室確認

補足事項

輪状膵は他の消化管奇形や胆道異常を合併することがあるため、全身的な先天異常の有無も評価が必要。無症候性の場合は経過観察も選択される。

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