膠芽腫
概要
膠芽腫は脳に発生する最も悪性度の高い原発性神経膠腫で、成人の脳腫瘍の中で最も頻度が高い。急速な増殖と浸潤性が特徴で、予後不良の腫瘍である。標準治療後も再発率が高く、治療抵抗性を示すことが多い。
要点
- 急速な進行と高い悪性度を示す原発性脳腫瘍
- 標準治療は手術、放射線、化学療法の併用
- 予後は極めて不良で多くが再発する
病態・原因
膠芽腫は星状膠細胞由来のグリオーマで、遺伝子異常や分子経路の異常が関与する。IDH野生型が多く、MGMTプロモーターのメチル化状態やEGFR増幅などが予後や治療反応性に影響を及ぼす。
主症状・身体所見
頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、片麻痺、失語など多様な神経症状を呈する。症状は腫瘍の局在や大きさ、脳浮腫の程度によって異なる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| MRI | 境界不明瞭な造影増強腫瘍、周囲浮腫、中心壊死 | T1造影でリング状増強 |
| 病理組織検査 | 多形性細胞、壊死、血管増生 | WHOグレード4 |
| 分子診断 | IDH変異、MGMTメチル化、EGFR増幅など | 予後や治療方針決定に重要 |
MRIは診断の中心で、造影MRIにてリング状増強や周囲の浮腫が特徴的。確定診断には生検による組織診断が必須で、分子病理学的検査も併用される。
治療
- 第一選択:最大限の腫瘍摘出手術+放射線治療+テモゾロミド化学療法
- 補助療法:対症的な脳浮腫治療(ステロイド)、抗てんかん薬
- 注意点:再発例では治療選択肢が限られ予後不良
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 星細胞腫 | 進行が緩徐、悪性度が低い | MRIで境界明瞭、造影効果乏しい |
| 乏突起膠腫 | 石灰化を伴うことが多い | CTで石灰化、IDH変異陽性が多い |
補足事項
近年分子標的薬や免疫療法の研究が進むが、標準治療後の生存期間中央値は1〜2年程度にとどまる。再発例に対する治療開発が課題となっている。