腸壁ヘルニア

概要

腸壁ヘルニアは腸管壁の一部が腸管内腔側に突出する疾患で、主に小腸や大腸に発生する。腸管内容物の通過障害や炎症、穿孔などの合併症を来しうる。腸管憩室や他の消化管疾患との鑑別が重要となる。

要点

  • 腸管壁の限局的な突出が特徴
  • 無症状から穿孔や出血まで多彩な臨床像
  • 検査・画像診断による鑑別が不可欠

病態・原因

腸壁ヘルニアは腸管壁の筋層や粘膜下層の脆弱部位から粘膜・粘膜下層が内腔側に突出することで生じる。加齢や腸管内圧の上昇、結合組織異常、慢性便秘などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

多くは無症状だが、腹痛、腹部膨満、便秘、下痢、出血などを呈する場合がある。穿孔や炎症を伴うと急性腹症を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
腹部CT腸管壁からの限局的突出、局所肥厚憩室や腫瘍との鑑別に有用
注腸造影腸管内腔への小さな袋状陰影憩室と類似することがある
内視鏡検査粘膜下腫瘤様隆起、潰瘍や出血の有無穿孔や出血の評価

CTや造影検査で腸壁から内腔側への突出を確認することが診断の基本となる。内視鏡では粘膜下腫瘤様所見や出血源の特定が可能。鑑別には憩室や腫瘍、炎症性疾患を考慮する。

治療

  • 第一選択:無症状例は経過観察、穿孔や出血例は外科的切除
  • 補助療法:腸管安静、抗菌薬投与、栄養管理
  • 注意点:再発予防のための便通管理や基礎疾患治療

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
結腸憩室症憩室は全層性ではなく漿膜側に突出造影で外側への袋状陰影
腸管腫瘍増大傾向や壁肥厚、腫瘤形成CT・内視鏡で腫瘤性病変
Crohn病縦走潰瘍・非連続性病変内視鏡で縦走潰瘍や狭窄

補足事項

腸壁ヘルニアは高齢者や慢性便秘患者で発見されやすい。穿孔や出血などの急性合併症時には迅速な対応が必要。内視鏡的治療は困難なことが多く、外科的治療が主体となる。

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