肺小細胞癌

概要

肺小細胞癌は、肺原発の悪性腫瘍の中でも増殖が速く、早期から転移をきたしやすい神経内分泌腫瘍である。全肺癌の約10〜15%を占め、喫煙との強い関連がある。化学療法や放射線療法が治療の中心となる。

要点

  • 増殖が非常に速く、早期から転移をきたしやすい
  • 喫煙との強い関連があり、男性に多い
  • 化学療法・放射線療法が主な治療選択肢

病態・原因

肺小細胞癌は気管支上皮の神経内分泌細胞に由来し、急速な細胞分裂と高い悪性度を特徴とする。主なリスク因子は喫煙であり、遺伝的素因や環境因子も関与する。

主症状・身体所見

咳嗽、血痰、呼吸困難などの呼吸器症状が多い。進行例では体重減少や全身倦怠感、上大静脈症候群、パラネオプラスティック症候群(SIADH、Cushing症候群など)を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
胸部画像検査(X線/CT)肺門部腫瘤、縦隔リンパ節腫脹中枢発生が多い
気管支鏡検査腫瘍の直接観察および生検組織診断に必須
腫瘍マーカーProGRP, NSE高値神経内分泌マーカー

画像所見では肺門部や縦隔リンパ節腫脹が特徴的であり、確定診断には組織学的検査が必要となる。病期は限局型と進展型に大別され、治療方針決定に重要。

治療

  • 第一選択:プラチナ製剤+エトポシドによる化学療法
  • 補助療法:胸部放射線療法、脳予防的照射
  • 注意点:早期再発・進行例が多く、支持療法も重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
肺腺癌末梢発生が多い、進行は比較的緩徐TTF-1陽性、NSE陰性
肺扁平上皮癌喫煙者に多いが腫瘤が中心気管支に多いp40陽性、神経内分泌マーカー陰性

補足事項

近年では免疫チェックポイント阻害薬も進展型肺小細胞癌の治療選択肢となっている。予後は不良であり、診断時にすでに進行例が多い。

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