肝血管腫

概要

肝血管腫は肝臓に発生する最も頻度の高い良性腫瘍であり、主に血管内皮細胞の増殖による血管構造の異常集積から成る。多くは無症状で偶然発見されるが、大きなものは症状を呈することがある。

要点

  • 肝臓に発生する良性血管性腫瘍
  • 大部分は無症状で経過観察が基本
  • 画像診断が確定診断に重要

病態・原因

肝血管腫は主に毛細血管や海綿状血管の内皮細胞増殖により形成される。明確な原因は不明だが、女性に多く、女性ホルモンが発育に関与する可能性が指摘されている。

主症状・身体所見

多くは無症状で、健康診断や他疾患の精査中に偶然発見される。巨大化した場合は右上腹部痛や圧迫感、稀に腫瘤触知や圧迫症状を呈することがある。

検査・診断

検査所見補足
腹部超音波低エコー域または高エコー腫瘤境界明瞭、辺縁部高エコー
CT/MRI造影早期に辺縁造影→遅延性全体造影“スポーク状”造影パターン

画像診断が確定診断の中心であり、特に造影CTやMRIでの特徴的な造影パターンが診断に有用。生検は原則禁忌(出血リスクが高いため)。

治療

  • 第一選択:無症状・小型は経過観察
  • 補助療法:症状や増大例では外科的切除や塞栓術
  • 注意点:生検は出血リスクのため原則禁忌

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
肝細胞癌増大傾向・腫瘍マーカー上昇早期濃染・速やかなwash out
肝囊胞液体成分で内部エコーなし超音波で無エコー腫瘤
転移性肝癌多発・原発巣の存在造影パターンが異なる

補足事項

経過観察中に増大傾向や症状出現があれば治療適応を検討する。妊娠や女性ホルモン製剤投与で増大することがあるため注意が必要。

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