耳下腺狭窄症
概要
耳下腺狭窄症は、耳下腺導管(Stensen管)が何らかの原因で狭窄し、唾液の通過障害を生じる疾患である。反復性の耳下腺腫脹や疼痛、唾液分泌障害を特徴とする。慢性炎症や外傷、結石などが主な原因となる。
要点
- 耳下腺導管の狭窄により唾液排出障害が生じる
- 繰り返す耳下腺腫脹や疼痛が主症状
- 慢性炎症や結石、外傷が原因となることが多い
病態・原因
耳下腺狭窄症は、慢性唾液腺炎や唾石症、外傷、手術後の瘢痕形成などにより耳下腺導管が狭窄し、唾液の流出が妨げられることで発症する。炎症や感染、自己免疫疾患が関与する場合もある。
主症状・身体所見
反復する耳下腺部の腫脹や圧痛、食事時の唾液腫脹が特徴である。狭窄部位の圧痛や発赤、膿性唾液の排出を認めることもある。慢性化すると耳下腺の硬結や萎縮がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 唾液腺造影 | 狭窄部の造影欠損や導管拡張 | 狭窄部位・範囲の同定に有用 |
| 超音波検査 | 導管拡張、腫脹、唾石の有無 | 非侵襲的で初期評価に適する |
| CT/MRI | 耳下腺の腫脹・炎症・結石の有無 | 病変の広がりや他疾患との鑑別に有用 |
唾液腺造影で狭窄部位と程度を評価し、唾石や腫瘍との鑑別も行う。超音波やCT/MRIは炎症や腫瘍性病変の除外に役立つ。
治療
- 第一選択:保存的治療(導管マッサージ、温罨法、抗菌薬投与)
- 補助療法:唾液分泌促進薬、口腔内清潔保持
- 注意点:難治例では狭窄部拡張術や手術(導管形成術、耳下腺部分切除)を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 唾石症 | 触診や画像で唾石を確認 | 造影や超音波で石を描出 |
| 慢性唾液腺炎 | 腫脹・疼痛の慢性経過 | 造影でびまん性変化 |
| 耳下腺腫瘍 | 無痛性腫瘤、進行性増大 | 画像で腫瘍性病変を認める |
補足事項
近年は唾液腺内視鏡(シアロエンドスコピー)による診断・治療が普及しつつある。再発例や難治例では専門医による精査・治療が推奨される。