皮膚掻痒症

概要

皮膚掻痒症は、明らかな皮疹を伴わずに全身または局所の皮膚に強いかゆみを生じる症候群である。基礎疾患や加齢、皮膚の乾燥、内臓疾患など多様な要因が関与することが多い。日常生活の質(QOL)を著しく低下させることがある。

要点

  • 明らかな皮疹を伴わず、強いかゆみが主症状
  • 高齢者や慢性疾患患者で多くみられる
  • 基礎疾患検索が診断・治療の鍵となる

病態・原因

皮膚掻痒症は皮膚の乾燥(皮脂欠乏)、老化、薬剤、内臓疾患(腎不全、肝疾患、糖尿病など)、神経疾患、精神的要因などが複合的に関与して発症する。特に高齢者ではバリア機能低下や皮膚の水分保持能低下が主因となる。

主症状・身体所見

主症状は皮膚のかゆみであり、全身性または局所性に出現する。皮膚には明らかな発疹がみられないが、慢性的な掻破により二次的な擦過傷や色素沈着、苔癬化を認めることもある。

検査・診断

検査所見補足
血液検査肝・腎機能障害、糖尿病、甲状腺異常など基礎疾患のスクリーニング
皮膚の観察明らかな皮疹なし(掻破痕はありうる)二次的変化の有無を確認
皮膚バリア機能乾燥、角質水分量低下高齢者やアトピー素因で重要

基礎疾患の有無を確認するため、必要に応じて肝機能・腎機能・血糖・甲状腺機能などの評価を行う。診断は主に臨床所見と基礎疾患の除外により行う。

治療

  • 第一選択:保湿剤外用、原因疾患の治療
  • 補助療法:抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、生活指導
  • 注意点:過度な掻破の防止、基礎疾患の定期的な評価

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アトピー性皮膚炎皮疹・湿疹、家族歴、アトピー素因の有無特徴的皮疹・IgE高値
蕁麻疹一過性膨疹・紅斑、急性発症膨疹の出没、血清IgE上昇
痒疹強い掻痒と結節性皮疹、慢性経過結節性皮疹の存在

補足事項

高齢者や慢性腎不全・肝疾患患者では特に発症頻度が高い。精神的ストレスや薬剤性も鑑別に重要であり、原因不明の場合は全身検索を考慮する。

関連疾患