無月経乳汁漏出症候群
概要
無月経乳汁漏出症候群は、月経停止(無月経)と乳汁分泌(乳汁漏出)が同時にみられる内分泌疾患で、主に高プロラクチン血症を背景とする。下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)や薬剤性、視床下部・下垂体疾患などが原因となることが多い。
要点
- 無月経と乳汁漏出の同時出現が特徴
- 高プロラクチン血症を伴うことが多い
- 下垂体腫瘍や薬剤が主な原因
病態・原因
プロラクチン分泌の過剰によって乳汁分泌が生じ、同時に性腺刺激ホルモン(LH・FSH)の分泌抑制により無月経を呈する。原因は下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)が最多で、視床下部・下垂体疾患、抗精神病薬や抗うつ薬などの薬剤性もある。
主症状・身体所見
主な症状は無月経と乳汁漏出であり、乳汁は妊娠・出産歴がなくても認める。性欲減退、不妊、頭痛や視野障害(腫瘍の場合)もみられることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血中プロラクチン測定 | 高値 | 診断の中心となる |
| 頭部MRI | 下垂体腫瘍の有無 | プロラクチノーマの評価 |
| 性腺刺激ホルモン測定 | LH・FSH低値 | 性腺機能抑制の評価 |
高プロラクチン血症の確認と、MRIによる下垂体腫瘍の有無が診断の鍵となる。薬剤歴の聴取も重要。視野障害があれば視野検査も追加する。
治療
- 第一選択:ドパミン作動薬(カベルゴリン、ブロモクリプチン)
- 補助療法:腫瘍が大きい場合は手術療法や放射線療法
- 注意点:原因薬剤の中止や変更、妊娠希望時の管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Sheehan症候群 | 分娩時大量出血の既往、他の下垂体ホルモン低下症状 | プロラクチン低値または正常、MRIで下垂体萎縮 |
| 視床下部性無月経 | 強いストレスや体重減少の既往 | プロラクチン正常、GnRH負荷試験で反応低下 |
補足事項
高プロラクチン血症の原因検索として薬剤性や甲状腺機能低下症の除外も必要。男性にも発症することがあるが頻度は低い。妊娠を希望する場合は治療薬の選択に注意。