淋菌性結膜炎
概要
淋菌性結膜炎はNeisseria gonorrhoeae(淋菌)による急性化膿性結膜炎であり、性感染症の一つである。新生児や成人に発症し、重症化すると角膜穿孔などの重篤な合併症を生じることがある。感染力が強く、迅速な診断と治療が重要となる。
要点
- 淋菌による急性化膿性結膜炎で強い炎症と膿性分泌物を呈する
- 角膜障害・穿孔など重篤な合併症を生じることがある
- 迅速な診断と適切な抗菌薬治療が不可欠
病態・原因
Neisseria gonorrhoeae(淋菌)が結膜に感染することで発症し、主に性行為感染や新生児では産道感染が原因となる。感染力が非常に強く、他者への伝播リスクも高い。
主症状・身体所見
発赤、著明な膿性分泌物、眼瞼腫脹、強い結膜充血が特徴で、進行すると角膜混濁や潰瘍、穿孔に至ることもある。新生児では両側性に発症しやすい。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 結膜分泌物グラム染色 | グラム陰性双球菌の確認 | 迅速診断に有用 |
| 培養検査 | 淋菌の分離・同定 | 感受性試験も可能 |
| PCR法 | 淋菌DNAの検出 | 高感度・高特異度 |
グラム染色でグラム陰性双球菌が確認されれば診断的である。最終診断は培養やPCRで行い、淋菌以外の病原体との鑑別も重要。
治療
- 第一選択:セフトリアキソン点滴静注または筋注
- 補助療法:眼洗浄、眼軟膏投与、対症療法
- 注意点:クラミジアなど他の性感染症の合併にも注意し、パートナー治療も考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| クラミジア結膜炎 | 流涙や異物感が主体、慢性経過 | グラム染色で菌体確認困難、PCR陽性 |
| 細菌性結膜炎 | 他の細菌による、症状は軽度なことが多い | 培養で他菌種検出 |
補足事項
感染力が強く、医療従事者の二次感染にも注意が必要。新生児では予防的点眼が行われる。薬剤耐性菌の増加にも留意する。