洞不全症候群
概要
洞不全症候群は洞結節の機能障害により、心拍数の減少や不整脈をきたす疾患である。高齢者に多く、失神やめまいなどの症状を呈することが特徴である。治療は主にペースメーカー植込みが行われる。
要点
- 洞結節の障害により徐脈や不整脈を生じる
- 高齢者に多く、失神やめまいが主症状
- 治療の中心はペースメーカー植込み
病態・原因
加齢や虚血、心筋症、心筋炎、薬剤性などにより洞結節の自動能や伝導能が低下する。これにより適切な心拍数維持が困難となり、徐脈や心房停止、洞房ブロックなどを呈する。
主症状・身体所見
めまい、失神、動悸、疲労感などが主な症状であり、時に心不全症状もみられる。脈拍は遅く不整、長い心停止(Stokes-Adams発作)を認めることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 心電図 | 洞停止、洞房ブロック、徐脈、徐脈頻脈症候群など | 24時間ホルター心電図で診断精度↑ |
| ホルター心電図 | 発作性の徐脈や心房停止を記録 | 症状と心電図変化の対応を確認 |
| 運動負荷試験 | 心拍増加の不十分 | 洞結節機能評価に有用 |
診断は症状と心電図所見の両方から行う。心電図では洞停止、洞房ブロック、徐脈頻脈症候群などが確認される。ホルター心電図やイベントレコーダーで発作性変化を記録し、診断を確定する。
治療
- 第一選択:恒久的ペースメーカー植込み
- 補助療法:徐脈誘発薬の中止、心不全治療、生活指導
- 注意点:徐脈誘発薬(β遮断薬、Ca拮抗薬等)の投与は避ける
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 房室ブロック | P波とQRS間の伝導障害、P波の存在 | PQ間隔延長やQRS脱落が特徴 |
| 洞性頻脈 | 安静時でも頻脈、洞結節の自動能亢進 | 心電図で持続的頻脈を認める |
| 心房細動 | 不規則なRR間隔、P波消失 | 心電図でf波、RR不整を認める |
補足事項
洞不全症候群は高齢化とともに増加傾向にある。薬剤性や電解質異常など可逆的原因があれば、まずそれらの修正を行う。ペースメーカー治療は症候性徐脈例に適応となる。