水痘・帯状疱疹
概要
水痘・帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染および再活性化によって生じる疾患。初感染は主に小児に水痘(水ぼうそう)として発症し、ウイルスは神経節に潜伏後、免疫低下などの際に再活性化し帯状疱疹を引き起こす。いずれも特徴的な皮膚症状と強い感染力を有する。
要点
- 水痘は小児に多く、全身性の発疹と発熱を呈する
- 帯状疱疹は成人・高齢者に多発し、神経支配領域に疼痛と水疱を生じる
- 免疫低下者では重症化や合併症のリスクが高い
病態・原因
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は初感染時に水痘を発症し、その後ウイルスが感覚神経節に潜伏する。加齢や免疫低下によりウイルスが再活性化すると、神経を伝い皮膚に帯状疱疹を生じる。空気感染や飛沫感染により拡散する。
主症状・身体所見
水痘は発熱とともに紅斑・丘疹・水疱・痂皮が混在する発疹が全身に出現する。帯状疱疹は片側性の神経支配領域に一致した帯状の紅斑・水疱および強い疼痛が特徴的で、顔面や体幹に多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚所見 | 水痘:多形性発疹、帯状疱疹:神経支配領域の水疱 | 臨床的特徴が診断の中心 |
| PCR検査 | VZV DNA陽性 | 水疱内容液や痂皮から検出 |
| Tzanck試験 | 巨細胞の出現 | 水疱内容の塗抹標本で観察 |
水痘・帯状疱疹は臨床症状と皮膚所見で診断されるが、重症例や鑑別困難例ではPCRやTzanck試験が有用。帯状疱疹では神経痛の部位と皮疹の分布が診断の手がかりとなる。
治療
- 第一選択:アシクロビルなどの抗ウイルス薬投与
- 補助療法:解熱鎮痛薬、皮膚の二次感染予防、保湿
- 注意点:免疫不全者や高齢者は重症化しやすく、早期治療が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 単純ヘルペス感染症 | 口唇・外陰部など局所性反復発症 | HSV抗原・PCRで鑑別 |
| 伝染性紅斑 | 両頬の蝶形紅斑、発熱後の発疹 | パルボウイルスB19抗体検出 |
| 手足口病 | 手足・口腔内に小水疱 | コクサッキーウイルス抗体など |
補足事項
水痘ワクチンによる予防が可能であり、帯状疱疹ワクチンも高齢者に推奨される。帯状疱疹後神経痛は高齢者で遷延しやすく、早期治療が重要である。