持続勃起症
概要
持続勃起症は、性的刺激と無関係に4時間以上持続する異常な勃起状態を指す。血液のうっ滞や流出障害により発症し、早期治療が不可欠である。適切な対応を怠ると陰茎組織の不可逆的障害を来すことがある。
要点
- 性的刺激と無関係な4時間以上の持続勃起
- 虚血性(低流量型)が大半で緊急対応が必要
- 早期治療しないと勃起不全などの後遺症を残す
病態・原因
主に陰茎海綿体からの静脈血流の障害による虚血性(低流量型)が多い。鎌状赤血球症、悪性腫瘍、薬剤(PDE5阻害薬・抗うつ薬等)、外傷などがリスク因子となる。非虚血性(高流量型)は陰茎の外傷により動静脈瘻が形成されることで発症する。
主症状・身体所見
陰茎の硬直した勃起が4時間以上持続し、痛みを伴うことが多い。亀頭や海綿体の色調変化や腫脹を認める。非虚血性では痛みが少なく、勃起の硬度も低い傾向がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 陰茎海綿体血液ガス分析 | 虚血性では低酸素・高二酸化炭素・低pH | 虚血性/非虚血性の鑑別に有用 |
| 陰茎ドップラー超音波 | 虚血性で血流低下、非虚血性で血流増加 | 血流動態の評価 |
| 血液検査 | 鎌状赤血球症や凝固異常の検索 | 基礎疾患の評価 |
虚血性(低流量型)と非虚血性(高流量型)の鑑別が診断の要。画像所見や血液ガス分析が重要であり、既往歴や薬剤歴も確認する。
治療
- 第一選択:虚血性では海綿体穿刺・排血、α作動薬(フェニレフリン)注射
- 補助療法:基礎疾患治療、鎮痛、点滴、酸素投与
- 注意点:治療遅延は不可逆的な勃起障害リスク、非虚血性は保存的経過観察も
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 勃起不全 | 勃起が維持できない | 海綿体血流低下 |
| 精巣捻転症 | 陰嚢痛・腫脹が主症状 | ドップラーで血流阻害 |
| 前立腺炎 | 排尿障害・会陰部痛 | 尿検査・前立腺所見異常 |
補足事項
鎌状赤血球症や白血病など血液疾患が背景にある場合、再発予防や基礎疾患管理が重要。小児でも発症例があり、薬剤性のものは原因薬剤の中止が必要。非虚血性は緊急性が低いが、長期化すれば組織障害のリスクもある。