扁平苔癬

概要

扁平苔癬は、皮膚や粘膜に多発する紫紅色の扁平な丘疹を特徴とする慢性炎症性疾患である。免疫異常が関与し、口腔粘膜や外陰部にも好発する。強い掻痒感と慢性経過が特徴となる。

要点

  • 皮膚・粘膜に多発する扁平な紫紅色丘疹を呈する
  • 免疫異常や薬剤・ウイルス感染が発症の一因となる
  • 慢性経過で再発や色素沈着を残すことがある

病態・原因

自己免疫機序が中心と考えられ、表皮基底細胞に対するT細胞性免疫応答が主な病態である。薬剤(抗マラリア薬、β遮断薬など)やウイルス感染(C型肝炎など)が誘因となる場合もある。

主症状・身体所見

皮膚では境界明瞭な紫紅色の扁平丘疹が多発し、表面に白色線状(Wickham線条)を認める。粘膜病変は網状・レース状の白斑として現れ、強い掻痒感が特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
皮膚生検表皮の鋸歯状肥厚、基底細胞変性、帯状リンパ球浸潤診断の確定に有用
ダーモスコピーWickham線条の確認特徴的な白色網状構造を観察可能

皮膚生検による組織所見が診断の決め手となる。臨床的には特徴的な丘疹や粘膜所見、Wickham線条の確認も重要である。

治療

  • 第一選択:局所または全身性の副腎皮質ステロイド薬
  • 補助療法:抗ヒスタミン薬による掻痒感緩和、免疫抑制薬の使用
  • 注意点:慢性経過例では色素沈着や瘢痕、粘膜病変の癌化リスクに注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アトピー性皮膚炎幼少期発症・乾燥・屈曲部優位の紅斑組織像で基底細胞変性なし
乾癬銀白色鱗屑・肘膝伸側好発Munro微小膿瘍の有無
白癬環状紅斑・鱗屑・真菌検査陽性KOH直接鏡検で菌糸確認

補足事項

口腔粘膜病変は難治性で悪性化リスクがあるため、長期経過観察が推奨される。薬剤性やウイルス性の場合は原因除去も重要である。

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