急性糸球体腎炎
概要
急性糸球体腎炎は、主に感染後(特に溶連菌感染後)に発症する糸球体の炎症性疾患で、血尿・蛋白尿・浮腫・高血圧を特徴とする。小児に多いが成人でもみられ、経過は一般に良好だが、重症例では腎機能障害を来すことがある。
要点
- 多くはA群溶血性連鎖球菌感染後に発症
- 血尿・浮腫・高血圧・腎機能障害が主症状
- 予後は良好だが、重症例では急性腎不全に進展しうる
病態・原因
主な原因はA群β溶血性連鎖球菌感染(咽頭炎や皮膚感染)後の免疫複合体沈着による糸球体炎症である。免疫反応により補体が消費され、一過性の低補体血症を伴う。
主症状・身体所見
肉眼的血尿、蛋白尿、浮腫(特に顔面)、高血圧が典型的である。乏尿や体重増加もみられ、重症例では急性腎不全や心不全症状を呈することがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿検査 | 血尿・蛋白尿・赤血球円柱 | 典型的な腎炎症候群 |
| 血液検査 | 低補体血症(C3低下)、ASO高値 | 感染後経過や免疫反応を反映 |
| 腎機能検査 | クレアチニン上昇・尿量減少 | 急性腎障害の評価 |
診断は臨床症状と検査所見の組み合わせで行う。溶連菌感染の既往、低補体血症、典型的な尿所見が重要。腎生検は重症例や非典型例で考慮される。
治療
- 第一選択:安静・塩分水分制限・高血圧管理
- 補助療法:利尿薬、必要時抗菌薬投与、透析(重症時)
- 注意点:急性腎不全や高血圧性脳症の早期発見と対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| IgA腎症 | 感冒直後の血尿、補体正常 | C3低下なし、ASO上昇なし |
| 急速進行性糸球体腎炎 | 急速な腎機能低下、全身症状 | ANCA陽性例あり、半月体形成 |
補足事項
小児では予後良好なことが多いが、成人や高齢者、基礎疾患のある場合は重症化しやすい。感染予防や早期診断が重要である。