急性好酸球性肺炎
概要
急性好酸球性肺炎は、急性発症の呼吸困難と発熱を主徴とし、肺胞内に好酸球が著明に浸潤する疾患。しばしば喫煙開始や環境変化が契機となる。重症例では急性呼吸不全に至ることもある。
要点
- 急性発症の呼吸困難・発熱・咳嗽が特徴
- 肺胞内好酸球浸潤が病理学的本態
- ステロイド治療に良好な反応を示す
病態・原因
主にアレルギー反応や免疫異常により、肺胞内に好酸球が急速に集積する。喫煙開始や粉塵曝露、薬剤などが誘因となることが多い。病因は不明な場合も多いが、環境因子の関与が示唆されている。
主症状・身体所見
急性の呼吸困難、発熱、咳嗽、胸痛が主症状。身体所見としては、両側性のラ音やチアノーゼ、重症例では呼吸不全兆候がみられる。喘鳴や喘息様症状は少ない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 末梢血好酸球増多(初期は正常も) | 後期に増加することが多い |
| 胸部X線・CT | 両側性びまん性浸潤影 | しばしば胸水を伴う |
| 気管支肺胞洗浄液 | 好酸球比率増加(25%以上) | 診断の決め手 |
気管支肺胞洗浄(BAL)で好酸球比率の上昇が診断の決め手となる。胸部画像では両側びまん性浸潤影や胸水が特徴的。末梢血好酸球は初期正常なことも多いが、経過中に増加する。
治療
- 第一選択:全身性副腎皮質ステロイド投与
- 補助療法:酸素投与、呼吸管理、支持療法
- 注意点:再発は稀だが禁煙指導や原因除去が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 肺炎 | 好中球優位、細菌感染徴候 | BALで好酸球増多なし |
| 慢性好酸球性肺炎 | 発症が亜急性~慢性、末梢血好酸球明らか | 経過が慢性、画像で外側優位浸潤影 |
| 気管支喘息 | 喘鳴・可逆性気流制限 | 気道過敏性、BALで好酸球増多は軽度 |
補足事項
ステロイド治療開始後は急速に症状・画像所見が改善する。再発例は稀だが、再喫煙や再曝露で再発することがあるため生活指導が重要。薬剤性や感染症との鑑別も常に念頭に置く。