小脳出血
概要
小脳出血は小脳に発生する脳内出血であり、急性発症のめまい、歩行障害、意識障害などを呈する。高血圧などの血管障害が主な原因で、迅速な診断と治療が予後を左右する。脳幹圧迫や水頭症をきたすことがあり、生命予後に直結することも多い。
要点
- 急性発症のめまいや歩行障害が特徴
- 脳幹圧迫や水頭症による重篤化に注意
- 画像診断・迅速な治療介入が重要
病態・原因
主な原因は高血圧性小動脈の破綻による出血であり、動脈硬化やアミロイドアンギオパチーも関与する。外傷や血液凝固異常、脳腫瘍に伴う場合もある。出血により小脳実質が障害され、周囲組織や第四脳室が圧迫される。
主症状・身体所見
突然の激しいめまい、嘔吐、歩行障害、運動失調が出現する。重症例では意識障害、呼吸障害、脳幹症状(複視、嚥下障害など)を伴う。頭痛や項部硬直、水頭症による意識低下もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 頭部CT | 小脳内の高吸収域(出血) | 緊急で施行し迅速に診断 |
| 頭部MRI | 出血の範囲・周囲浮腫の評価 | T2*で出血の詳細や慢性変化も把握可能 |
| 神経学的診察 | 運動失調・構音障害・眼振 | 小脳症状の評価に有用 |
CTで小脳内の高吸収域が認められれば診断となる。MRIは出血の時期や周囲組織の障害評価に有用。第四脳室圧排や水頭症の有無も重要な診断ポイントとなる。
治療
- 第一選択:血圧管理と脳圧管理、外科的血腫除去(適応例)
- 補助療法:支持療法(呼吸・循環管理)、リハビリテーション
- 注意点:水頭症や脳幹圧迫の早期発見と迅速対応、再出血防止
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 脳幹出血 | 意識障害・四肢麻痺が先行 | CTで橋・延髄の出血 |
| 脳梗塞 | 徐々に進行、出血性変化なし | CTで低吸収域 |
| くも膜下出血 | 激烈な頭痛・意識消失が主 | CTでくも膜下腔出血 |
補足事項
小脳出血は早期対応が予後を大きく左右し、特に脳幹圧迫や水頭症の有無で治療方針が変わる。高血圧患者の管理徹底や再発予防も重要である。