妄想

概要

妄想とは、現実とは異なる誤った確信を持ち、論理的説得によっても訂正されない異常な信念である。精神疾患、特に統合失調症や気分障害などで高頻度に認められる。内容や体系化の程度により多様な臨床像を呈する。

要点

  • 妄想は現実と異なる確信であり、訂正不能
  • 統合失調症やうつ病、妄想性障害などで出現
  • 内容により被害妄想、誇大妄想、関係妄想などがある

病態・原因

妄想は脳の認知機能・現実検討能力の障害に起因し、ドパミンなど神経伝達物質の異常やストレス、遺伝的素因などが関与する。精神疾患の一症状として現れることが多い。

主症状・身体所見

被害妄想、誇大妄想、関係妄想、心気妄想など多彩な内容がみられる。妄想内容に基づき行動化することもあり、社会生活や対人関係に支障をきたす場合がある。

検査・診断

検査所見補足
精神科面接妄想内容の把握現実検討力・論理性の評価
神経心理検査認知機能低下の有無MMSE、FABなど
画像検査(MRI等)器質的疾患の除外脳腫瘍・脳血管障害など

診断は主に臨床的観察と面接に基づく。器質性疾患や薬剤性の影響を除外するため、必要に応じて画像検査や血液検査も行う。

治療

  • 第一選択:抗精神病薬による薬物療法
  • 補助療法:精神療法、心理教育、家族支援
  • 注意点:服薬アドヒアランス、再発予防、急性増悪時の安全確保

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
統合失調症幻覚・自我障害の有無思考障害・陽性症状
うつ病抑うつ気分・意欲低下気分症状が主
妄想性障害妄想以外の精神症状が乏しい認知機能は比較的保たれる

補足事項

妄想の内容や体系化の程度は経過や基礎疾患により変化する。高齢者では認知症との鑑別も重要であり、身体疾患や薬剤性も常に念頭に置く。

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