大麻型依存

概要

大麻型依存は大麻(カンナビス)使用によって発生する精神的・身体的依存状態である。精神依存が主体で、慢性的な使用により社会的・精神的機能の障害をきたす。身体依存や離脱症状は比較的軽度であるが、乱用による健康被害や精神症状が問題となる。

要点

  • 精神依存が中心で身体依存は軽度
  • 長期使用で認知機能や精神症状の障害を生じる
  • 社会的・職業的機能障害や法的問題を伴うことが多い

病態・原因

大麻に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が中枢神経のカンナビノイド受容体に作用し、快感や陶酔感を引き起こす。繰り返しの使用で精神的依存が形成され、使用量の増加や使用のコントロール困難に至る。遺伝的素因や環境要因もリスクとなる。

主症状・身体所見

使用時は多幸感、リラックス、時間感覚の変容、知覚の変化などがみられる。長期乱用では意欲低下、記憶障害、注意力低下、抑うつ、不安、妄想などの精神症状が出現する。身体症状は口渇、頻脈、結膜充血などがある。

検査・診断

検査所見補足
尿中THC検出大麻成分の代謝物陽性使用後数日から数週間検出可能
精神科評価依存症診断基準への該当DSM-5やICD-10の診断基準が用いられる

診断はDSM-5やICD-10の物質使用障害の基準に基づき、生活機能障害やコントロール困難、使用継続などの項目を満たすかで判定する。尿検査でTHC代謝物の検出が参考となる。

治療

  • 第一選択:精神療法(認知行動療法、動機づけ面接など)
  • 補助療法:家族療法、集団療法、社会的支援
  • 注意点:再発予防のための長期フォローと環境調整が重要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
モルヒネ型依存強い身体依存・離脱症状尿中モルヒネ検出
コカイン型依存強い精神依存・短時間作用尿中コカイン代謝物検出

補足事項

大麻依存は他の薬物依存と比べて身体依存や離脱症状が軽いが、若年者の脳発達や精神障害リスク増加が近年問題視されている。治療薬は確立していないため、精神療法が中心となる。

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